第021話.パパだと言われても
ワタシの直感、大当たり!
実はニック、あちこち渡り歩いたって云う向こうの世界のひとつからとんでも無い
先程からニック、ちょっと様子が可怪しくて。カクカク歩いたと思った次の瞬間、目が真っ白になってしまって。
「ニックさんっ!」
そう声を掛けた、次の瞬間……何と、ママの魂とワタシの魂とニックの身体を白い光の線で結んだ正三角形が浮かび上がったんです!
「朱璃、コレ……“通信魔方陣”よ! でも、こんな事が出来る人ってまさか……」
「何ですか、それ……?」
2人でまごまごしてるとニックの口から、まるでラジオの周波数を合わせる様な音が聞こえたんです。
ピーピー……ガガッ!
次にニックの眼が光り、2つの視界の交差する点にぼんやりとホログラムが。そして、そこから聞こえたのは……
【あーあーあー、テステステス。通信魔法陣、無事に設置かんりょおっ! こちらの声ぇ、聞こえるかい、オッケェイ?】
何と、ニックの口から男の人の声が聞こえて来て……でもホログラムの映像、人間に
【うんっ、呆気に取られてるって事はちゃんと聞こえてるな。聞いてるのは、愛しのキョウコかい? こっちは、ちょうどニックがキョウコと合流する頃を見計らい……タイミングを逆算して、ニックにこの魔法陣を組み込んだからなっ!】
正しくは脳内に声を直接響かせて……ニックに魔法陣を組み込んで、異世界の向こうから遠隔操作したって云うんですか?
もしそうなら、無茶苦茶な事しますよね!
「やっぱり、あなただったのねっ! あれから私を地球に逃がした後も無事だったのね。心配してたのよ、あれから何の音沙汰も無かったから! 今でも私……愛してる!」
【オレもだよ、キョウコ。“究極の遠距離恋愛”にしちまってゴメンな……】
「ううん、いいの……あなた……」
♡♡♡♡♡……
完全にワタシを放ったらかしで、2人だけの愛の時間が流れてますが……仕方無いですね♪
でも、余りにも2人がラブラブ過ぎて……媒体として間に挟まれてるニックがお湯が湧きそうなくらい全身真っ赤っかになってます。
ポンポンポン……
ポンポンポン……ぷしゅ~。
見て居て可哀そうです……ワタシはそっと助け船を出す事にしました。
「あのー、ワタシママの娘の朱璃です。あまりにもお2人の世界がラブラブ過ぎて、聞いてるこっちもこっ恥ずかしいですよぉ」
ちょっと口を尖らせてみました。だけど……そう喋りながら、ワタシは耳たぶが真っ赤になってたんです。
【そうかそうか、アカリってんだぁ、オレ達の娘の名は……! 初めまして、オレがお前の父親のシュージンだ、ヨロシクな……】
「ワタシも初めまして、パパ」
【オレ達の元に生まれて来てくれて本当にありがとな、アカリ……って言っても、こうやって声は聞けるけどホログラム越しだからなぁ。会ってお前の顔を見られる日は来るかなぁ、アカリ……】
ワタシはパパ、シュージンの「生まれて来てくれてありがとう」って言葉にココロがジーンと震えて……
気付くと、両眼から涙がひと筋頬を伝って落ちてたのでした。どうして? 生まれて
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます