第020話.ボクもオマケねー♡
ワタシは、まるで運命の糸に引き寄せられるかの様に……ふと気が付いたら、いつの間にかキュイぐるみを着てしまって居たんです。
ポムポム、キュルルンっ♡
お尻にある団子の様な尻尾がもふもふしてて、とてもキュートです♡ お尻をふーりふりっと♪ふーりふりっと♪
【このきぐるみの材質は『純白の一角兎』、キュイラージなんだよー。つまりコレがテイムぐるみになってるって事はねー】
……はひ?
【キョウコ様の“初代テイムちゃん”は、このコだったって事なのー! ちなみにボクは2代目ね、3代目も異世界の何処かに居るハズよー!】
……うそっ?
【ちなみにねー、この『譲渡の儀式』で譲渡されるのはきぐるみだけじゃないよー! 先代と旅を共にした“テイムちゃん”も、次世代に引き継がれるのねーっ】
「つまり、今この瞬間からニックがアナタのテイムモンスターになるって事なのよ……朱璃!」
えぇっ……!!? ホントですか、それぇ……?
【お姉ちゃんの“初代テイムちゃん”、ニックでーす! ヨロシクね、ご・主・人・さ・ま♪】
「朱璃、ニックを宜しく頼むわ。仲良くしてあげてね。私の力ではフェアリーバード迄が限界、最後までニックの強さを引き出し切ってあげる事が出来なかったの」
そう言ってママはワタシの目の前でゆっくり、スッと頭を下げたんです。
「朱璃、アナタならニックの強さを最大まで引き出せそうな気がするわ」
でも、この流れって…… まさか……?
「でもママ、ワタシにキュイぐるみを譲渡してニックまで託したら……魔物に襲われたりでもしたら、身を守る術の無いママはどうなるの?」
「その魔物に襲われる確率が高いのが朱璃、アナタの方だから『譲渡の儀式』を急がせたの!」
やっぱりー!!!
だから、気を付けて……とママは眼力でも強く訴えます。
「キュイぐるみがアナタに力をくれるのは、【きぐるみ羽織る、間だけ】なんだからね……」
ワタシへの『譲渡の儀式』を急がせた理由、別に有る気がして。ママは言い出し難い
でも、其れより凄く気になる事が。先程から、ニックの様子が変なんです! 横で頻りにチョロチョロと……何かに取り憑かれたかの様に。
いきなりその場でパタパタ、羽根を羽ばたかせてみたり。あちこちカタカタカタカタ、ロボットみたいに歩き出してみたり。
まるで本人の意識を完全に無視してるかの様な、常軌を逸したこの動き。ニック、一体どうしちゃったんですか……?
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