第012話.バッタリを回避せよ
ドッキリ作戦の大成功にすっかり気を良くしたボク、つい浮かれモードになって現在お腹を上にしてスィーって飛んでるの。
気付いたら坂を上り切って、台地の頂上部分である平地に辿り着いてたのね。平地には集落が点在してるし、左手には電車の駅が見えてて。
ボクは一旦羽ばたくのを止め、グラインド飛行のまま目線を上に向けたの。すると澄んだ夜空に綺麗な天の川、確か“あのヒト”が言ってたっけ。
「ほらニック、あれが織姫さまでね……あれが彦星さまなのよ」
人指し指を上に向けながら琴座の
今日の夜空……また綺麗なのね。
そしてくるっと反転して、そのまま目線を下に降ろせば。そこには砂浜が海と隔てる事で出来た
〜〜〜♪ ……っ、ごっちぃ~ん!!!
調子に乗ってたから一両編成の路面電車、昭和を彷彿とさせる「チンチン電車」が出入りする駅の入口に頭をぶつけてしまったのね。
確かに、この辺りで夜景と言えばこの電車から漏れる光だけ。この平地の集落には、街灯はおろかコンビニエンスストアなどの商業施設すら点在して無いの。
ホント、正に闇夜の世界になるワケ。
【この道……街灯が無くて真っ暗闇なのねー】
でもボク、真っ暗闇になっても比較的へっちゃらな方なのね。何故なら自ら燃えて、灯りを確保する事が出来るからなの。
ちなみに異世界の夜だって月夜の灯りは有るし、それどころか夜空に月が
それに此処、日本にまで異世界の住人が来てる形跡も……今の処、見受けられないのね♪
この集落はどうやら、林業が中心残業になってるみたいなのね。集落を見渡すと、あちこちに丸太小屋が建ってるの。
えーと、確か此処ら辺なのよ……平地の外れの方に、ちっぽけな掘っ立て小屋が在る筈なの。あ、在ったのね!
此処こそボクの目指してた“あのヒト”が住んでる家なの! 異世界より更にもっと向こうの世界から、久し振りに戻って来れたのよ!
しみじみと感慨に耽ってたら……マスク付けて帰って来た、あの少女の姿が!? こうなったら何かに擬態しよ、ジト見は耐えられ無いの。
変身っ!!!……そん、そそそん。
寄りに依ってボクは西部劇の回転草、タンブルウィードに擬態したの……しまったー、タンブルウィードは自ら燃えない光らないwww
でもさでもさ、少女にバレてる気配まるで無いのよ。何でー? まさかボク、間接照明の様に見えてるの?
それにしても、何と云う運命の巡り合わせ! って事はあの少女、此処の家の子だったのね♪ 探してた“あのヒト”の……?
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
終始浮かれてるボク、でも日本で女の子がゴブリンに襲われてた事実をまだ知らなかったの。
ボクも異世界の住人、こんなプリチーな
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます