2-10 遊園地の紹介
さて、ここでちょっと今回の作戦の舞台になる「遊園地」の紹介をしておくわね
前に言ったの覚えてる?
この世界の遊園地は前世のテーマパークなんかと比べものにならないくらい小さいって
それを聞いてあなた方の頭の中にはいろんな「小さな遊園地」の姿が思い浮かんでいると思うけど
実はその想像のどれにもないと思う「ある特徴」が今回の遊園地にはあるの
それが「移動遊園地」
多分聞いたことのない人の方が多いでしょうね
遊園地が移動するってどういうことか
別に浮島のようなものに
そうね、前世の日本で一番似ているのっていったら「サーカス」かしら
簡単にいうと「常設じゃない」、つまり「ずっとそこにあり続けるわけじゃない」ってこと
ある場所である期間だけやったら、全部撤収してまた別の場所へ
そうやって国中を
それが移動遊園地
そんな移動遊園地をなぜわざわざ選んだのか
まず第1の理由は「近いから」
いまその移動遊園地が開かれている場所が、学園からそんなに遠くないの
私たちは寮住まい
門限があるのよね
だからいくら休日だからって、そうそう遠くに遊びにいくわけにはいかない
特に今回はこの国の第三王子でもあるアルバート会長がいるのよ
門限に遅れたりしたら、こっちの責任問題になりかねないわ
そして第2の理由は「私がよく知っているから」
実はこの移動遊園地、私は何度も行ったことがあって
どこに何があるのか、完璧に
えっ? そんなとこにいつ行ってたのかって?
やだなあ。この世界で、なわけないじゃない
行ったのはゲーム『
もちろんただ遊びに行きたかったからじゃないよ
行った理由はもちろん「攻略対象者を攻略する手段」として
前に挙げた「ふたりっきり」と「ドキドキ」だけど
実はゲームでは散々利用してきて実績豊富
リアルでの経験がないっていうのは間違いのない事実だけど
でもここはゲームの世界
ゲームでの経験があるから大丈夫でしょ
どこに何があるか
まだ遊園地に着いてもいないいまの時点で
どのアトラクションにどの順番で乗るか
さらにはお弁当を食べるベンチだってもう決めてあるの
だいたいその移動遊園地がいま学園の近くに来ていることだって
ゲームの知識で知っていたんだよね
決して偶然都合よく来ていたわけじゃないの
すべては私の手の中
ふたりにはわたしの手の中で踊ってもらいます
いかにもこの世界の影の支配者にふさわしいシチュエーションだわ
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