2-8 今回の作戦②
おっと、まだ作戦の内容を説明している途中だったわね
そう、まだ「途中」
作戦はまだまだこんなもんじゃないんだから
で、ふたりがいい感じになってきたところで作戦は第2段階へ
計画ではこのあたりでお昼前になっているはず
適当なベンチを確保してお弁当にしようとなります
ところがここで衝撃の事実が発覚するの
なんとお弁当が「ふたり分」しかありません!
もちろんわたしがそう仕向けるわけで
ふたりを遊園地に誘うやり方にひと工夫
ふたりには「今度3人で行きましょう」なんて言いません
誘うのはふたりそれぞれ別々に
ふたりには悪いけど「私とふたりっきりでお出かけ」と勝手に誤解してもらいます
その方が確実にOKしてくれるでしょうからね
たとえ待ち合わせ場所で3人だとわかっても
「あれ? 言ってませんでしたか」
でおしまい
ちょっと良心が
具体的にはエドモンド副会長を誘うときに「副会長がふたり分のお弁当を用意してください」とお願いするの
エドモンド副会長は私とふたりでお弁当を食べると思い込んでいるから
きっととってもおいしいお弁当を用意してくるはず
他方、アルバート会長にはわざとお弁当の話はしません
これでお弁当は無事に「ふたり分しかない」となるって寸法
なんでこんなことをやるかって?
理由は簡単
用意したふたり分のお弁当を、アルバート会長とエドモンド副会長のふたりに食べてもらうため
アルバート会長はエドモンド副会長が用意したお弁当のおいしさに感動
さあ、勘のいい人ならもうわかったかしら
そう、これも恋愛の定番、「胃袋を
えっ? 私の分はどうするのかって?
よくぞ聞いてくれました
ここから作戦は最後の詰めへ
お弁当がふたり分しかないとわかった時点で
「ああっ、ごめんなさい。僕がうっかりしてお願いするのを忘れていました。確かあの辺りに屋台がいくつも出ていたので何か買ってきますね」
と言ってその場を離れるの
そしてアトラクションを利用してふたりの視界から身を隠したら
そのまま大回りしてふたりの座るベンチの背後に身を隠す
ふたりが仲良くお弁当を食べている様子を、私は物陰からこっそり
ああ、美形男子ふたりが仲良く並んでお弁当の食べさせあいっこをしているのをすぐ後ろから眺めるだなんて
BL好きにはまたまた夢のような光景じゃない
どう? この作戦
前半の「ふたり一緒に」と「ドキドキ」でふたりの距離を一気に縮め
後半の「胃袋を
ああ、自分で説明していながら感動で体の震えを押さえきれなかったじゃない
経験がなかっただけで、私ってもしかして恋愛の天才? なのかも
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