0-12 面接③
理事長は私が想像していた通りの「ザ・理事長」といった感じの
さっきの
ところで、私の座る椅子が用意されていないようなんですけど。もしかして立ったままで面接を?
すると理事長が立ち上がって私の方に歩いて来られた。そして私の肩に手を置かれてこう言ったの
「合格じゃ」
えっ、なに。もしかして面接はこれで終わり? それとも終わったと見せかけて、実はまだ続いているとか
戸惑う私をよそに、理事長のニコニコは増すばかり
「まったくたいしたものじゃ。まさかイザベルがあれほど長く話し込むとはの。よほどそなたのことが気に入ったと見える」
理事長は私の肩を二度三度、ポンポンと叩いて愉快そうに笑った
えっ、じゃあもしかして、さっきの侯爵夫人との会話が面接の本番だったってこと?
うそ、全然気づかなかった
「あれが言っておった。行儀作法、知識、そのほか諸々、いずれも申し分ないとな」
うわあ、やっぱりさっきのが面接だったのね
でも待って。私が実は女の子だってこと、まさか侯爵夫人に教えていないでしょうね
もし教えていたりしたら、そこから噂が広がって全部おじゃんになってしまうかも……
私の心配が顔に出たのかもしれない
それまでただ機嫌良く話していた理事長の口調に、優しげな調子が加わった
「安心せい。あれにはそなたが実は女だということはひと言も言ってはおらん。あくまで男として、学園に入学させるにふさわしいかどうか、それを見極めてもらったまで。それに、もしそなたが女であることを見破るとするなら、女であるあやつの方がなにかと適任じゃと思うたからの」
教えていないのね。ちょっと安心
「実際あれはそなたのことを『女の子のように繊細なところがある』とは言うたが、そなたが女であることまでは見抜けなかったようじゃ。あれに見抜けなんだのじゃから、学園でも少々のことではそなたの正体が見破られることはあるまいて」
どうやら本当に、本当に合格したみたい。良かった。これでいよいよ
ところがその時、理事長が思わぬことを言い出したの
「ところで、つかぬことを尋ねるが」
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