第3話「ドライガーの奮闘」
勇一とユズキは飛行機に乗り日本へ旅立った。
それから約14時間後……。
-羽田空港第2ターミナル-
「いや~着いた着いた……」
勇一とユズキは東京の羽田空港に到着した。
空港には勇一の父正信と火村が迎えに来ていた。
火村の運転で車を走らせる。
「いや~火村さんまでわざわざ来てくれるなんて……ありがとうございます」
「いいえ……勇一さんが帰って来ると聞けばそりゃあ迎えに行きますよ……それに……」
火村はユズキの方を見る。
「あっ、この子が美山柚希(ミヤマ ユズキ)ちゃんです」
「この子をお婆さんの所に連れて行くとか……お婆さんの方には一応捜査員も向かって貰ってますが、本当にこの子が組織に狙われてるなんて信じがたいですね……」
火村は勇一からメールを貰い既にユズキの祖母の家を見つけ捜査員まで手配していた。
だが、その道中車の前に突然恐竜の怪人が現れた。
「うわっ!?」
火村は急ブレーキを踏む。
車の前に現れたのはディメトロドン怪人。
背中と両腕に回転ノコギリの様な武器が備わっている。
「恐竜の怪人……やっぱり組織の奴か……」
勇一は車を降りる。
「火村さん、ここは俺が……ユズキちゃんを頼みますよ」
「勇一さん……わかりました!気を付けて」
勇一は『火の宝玉』で『変身』
龍神ドライガーが登場。
ディメトロドン怪人が襲いかかって来る。
ドライガーは攻撃をかわしながら車から引き離す。
そして、車から2人が離れた所で火村はアクセルを強く踏み車を走らせた。
その様子を見ていたスカーとブラウ。
「チッ……あのバカ何してやがる……」
「いや……邪魔なドライガーからあのガキを引き離す事は出来た……行くぞ……」
そう言ってスカーは火村の車を追う。
「あっ、兄貴待って下さいよー!」
ディメトロドン怪人の回転ノコギリがドライガーに迫る。
「うわっ!?」
ドライガーはギリギリかわすが次の攻撃が来る。
「ぐわぁ!?」
今度は攻撃を喰らってしまった。
「痛ぇ……こりゃまともに喰らってたらヤバいな……」
ドライガーは『水の宝玉』で『ウォータードラゴン』にチェンジ。
『ドラゴニックランサー』を手に戦う。
ドラゴニックランサーを上手く使いディメトロドン怪人の回転ノコギリをかわしながら攻撃を繰り出す。
火村がしばらく車を走らせてる間スカー達は特に手を出さなかった。
「勇一さん……大丈夫でしょうか?」
「まぁ、あいつなら心配要らないですよ」
「そうですよね……邪神を相手に勝っちゃうんですからね……」
「そうさ!」
そんな会話をしながら2人は邪神ゴルゴディウスとの激闘を思い出していた。
ゴルゴディウスとの激闘で発生した大爆発により勇一はその場から姿を消していた。
葛城や火村も必死に勇一を探した。
呼び掛けても呼び掛けても返事がない……。
誰もが勇一は死んだと思っていた。
だが、勇一は生きていた。
ゴルゴディウスとの最後の戦いで大爆発が発生し壊れたビルの瓦礫の中いたのだ。
しかもそこから救出された勇一はドライガーに変身していた為か大きな怪我はしていなかった。
「邪神にだって勝った勇一さんです……あんな奴らなんかに負けませんね」
「ああ」
ドライガーはディメトロドン怪人と戦いを続けていた。
そして、ドライガーの一撃がディメトロドン怪人にダメージを与えた。
「ぐっ……やるなドライガー……まぁ、今はこの位でいいか……」
「何っ!?」
ディメトロドン怪人は姿を消した。
「あっ!待って!……まずい……」
ドライガーは急いで火村の車を追った。
その頃、火村の車はユズキの祖母の家目前にまで来ていた。
「あそこだ」
そして火村が車を止めるとそこは純和風の一軒家だった。
「ここがお婆ちゃん家?」
「ああ……ちょっと捜査員と話して来ます」
そう言って火村が車を降りる。
そして、家の前で見張りをしてる捜査員に話し掛ける。
「警視庁の火村です……ここが美山柚希ちゃんのお婆さんの家で間違いないですね?」
「はい!間違いありません!お待ちしておりました」
捜査員がそう言うと火村は車の方に戻ろうとする。
「火村さん!危ない!!」
正信が異変に気付き声を掛けるが……
背後からいきなり捜査員が警棒で殴ってきた。
「ぐわぁ!?」
火村はその場で倒れ込む。
捜査員だと思われた男は実は警察官ではなく組織の構成員だった。
そして、他の構成員達が車を取り囲む。
「くっ……コイツら……組織のメンバーか……」
火村は起き上がろうとする。
「くっ……」
だが、火村を殴った構成員が火村の背中を踏みつける。
「ぐぁ!?」
「悪いなぁ……上からそのガキを連れて来いって指令が下ってんのよ……邪魔するなよ……」
そして、他の構成員に正信とユズキは車から降ろされる。
そして、スカーとブラウが2人の前に現れる。
「おっ、お前達は……何者だ!?」
正信は必死にユズキを庇う。
「フンッ……俺達に歯向かえば怪我だけじゃすまないぜ、おっさん……」
ブラウがそう言って挑発する。
「やっと見つけたぜ……ユズキ……お前の母親から預かったマイクロチップを渡しな」
スカーがユズキに迫る。
「嫌!」
「チッ……ガキが舐めてんじゃねぇぞ!!」
スカーがユズキの腕を掴んで引っ張る。
「きゃっ!?」
「ユズキちゃん!」
「くっ……変身さえ出来れば……」
火村は悔しかった。
かつての様にGTN-1に変身が出来ればこの程度の相手には決して負けなかっただろう。
だが、邪神ゴルゴディウスとの戦いの後、特殊犯罪対策班は解散しバラバラの部署に所属していて『グレイアクセラーG』も藤波博士に返却してしまい持っていなかった。
スカーとブラウはユズキを連れて姿を消した。
すると、他の構成員達も逃走。
ユズキはスカー達に誘拐されて行った……。
続く……。
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