24歳の赤ちゃんクラス

ですが、その約束は果たされませんでした。

落第です。



今年より、年少より更に下に赤ちゃんクラスと呼ばれるクラスが新設され、その一期生となったのです。


オモラシ矯正センターで、ガラガラや幼児向けの絵本などが置かれ、それらを使う治療を試みだしたのだ。

幼稚園でもお絵かきやお遊戯です。



おむつを当てられ6年目。

ルーシアは勉強は出来たはずでしたが、教科書から遠ざけられ現状の確認も出来ません。


保母さんによっておむつを交換されます。

ロンパースのボタンが音を立てて外されました。


6年ぶりに、オムツを隠せる服を着させてもらえているのです。



――気持ち悪かったでちゅね、すぐおむちゅかえてあげますよ。



この新たな施設の職員は、ルーシアの一年下の後輩でした。

正確には、おむつを当てて過ごした二度目の高校3年生の時の同級生です。


その彼女らが大学も出て、ここに就職したのです。



彼女らは、ルーシアのオムツを開いた所で中断してしまいました。

隣に寝かされた新たなお友達のおむつ替えを優先したのです。



ルーシアの今のクラスは、おむつを卒業した子はごくごく一部です。

みんなとお揃いという現状は、ルーシアの羞恥心を和らげました。



一緒にロンパースを替えてもらえ、ようやく気持ち悪さはなくなりました。



ですが、ルーシアは先が見えません。

ロンパースで日々を過ごし、オモラシをすれば褒められ、ガラガラであやされ、哺乳瓶で食事を取らされる日々。



このような暮らしをしていながら、進級に必要なのがオムツを外すということ。

たったこれだけのことが、出来る気がしないのです。



一方の妹のソフィアはというと、今年は大学受験だそうです。

狙うは偏差値72。ルーシアが入ろうとした大学です。



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