18歳の春休み その2

始業式まであと一週間。

起きるとお妃様が居ません。


メイドたちに聞くと、急用の為に王城に帰ってしまったとのことです。


代わりにメイドが増員され、この日よりこの増員されたメイドたちがルーシアのオムツの面倒を見るとのことです。



増員されたメイドはいずれも新人。


というのも、去年までルーシアの同級生だった娘達です。



王城のメイドといえば女子の花形職業の代表格です。

だからルーシアの学校から就職者が発生していても全く不思議はありませんが、まさかそのままルーシアの元に送られてくるなんて想像もしていませんでした。



ルーシアはズボンもスカートも無いのが当たり前の生活をしていました。

だから、そんなルーシアの再開時の姿は当然オムツ姿。


それも、オネショして褒めてもらうべく、お妃様に朝の交換を頼む気で満々の黄色く大きく膨れ上がった状態でした。



元同級生のメイド達も、オムツの世話というのは聞いていましたが、それがルーシアだというのはいま始めて知ったようです。


たしかに卒業式でのオモラシは目撃していましたし、新聞などで初の留年という情報は連日出回っていました。


ですが、オムツでこのようなことになっているということまでは全く知らなかったようなのです。



双方驚き、ルーシアは見ないでと懇願しました。

ですがそうは行きません。この人事は王様直々の物だというのです。



流石に一国の姫を相手に、メイドとしての上司もこの場に居るということもあり、イジメのようなことにはなりません。

ですが、元同級生におむつ替えを頼むというのは屈辱以外の何物でもありませんでした。



これまで褒められていたのがおかしいと、気づいたのです。


あまりの出来事に、お漏らししながら気絶してしまいました。




気づいたときには、オムツが替えられていました。


おむつ替えは特定の時間にしかされません。

このオネショしたのだと思われるオムツはもう濡れています。


柄が違う点が、多分替えられたのだろう。


次は頼まねばなりません。

その事が、非常に辛く、お妃様に早く戻ってきてほしいと強く願わざるに入られませんでした。


ですが、お妃様と次に会うのは、相当先の話なのです。




ルーシアはオムツを外してしまいました。

今、そのことを咎めるお妃様は居ないのです。


トイレも開放させました。



ですが、結局ルーシアはトイレに入れませんでした。

トイレが怖い、などということはありません。



気づいたら漏らしているのです。

それも一回や二回ではなく、一日になんどもです。







ルーシアはおむつを当てられてしまいます。

それが、この国の法律なのです。2年ほどまえに制定されたのです。



ですが、ちょうどオムツの在庫がなくなってしまいました。


今までのおむつ替えの制限も、オムツの在庫の関係だというのです。


ルーシアは馬車に乗せられました。

最後のオムツを当てて、卒業式後では、この別荘に来る事を除けば初の外出です。


そして、オムツ姿としては初の外出でした。



抵抗しましたが、お妃様の命令ということで断行されました。


たどり着いたのは、赤ちゃん用品の専門店です。

明日から通学で使うオムツの購入のために着たのです。



そう、明日から新学期、二回目の高校3年生なのです。



まっすぐオムツ売り場にいきます。


途中、一般市民に大勢すれ違いました。



もともと有名人なのが、連日の報道により輪をかけて有名になっていました。

そんなルーシアがオムツ売り場に、黄色くタプタプになったオムツ姿で向かう姿は当然騒ぎにになります。

替えのオムツがなく、替えの時間になってもそのままだったために限界近い吸水量なのです。



予め連絡を受けていた店員は、すでにオムツの用意を終えていました。


それを受け取ると、逃げるようにルーシアは馬車まで駆け戻りました。

オムツが落ちないよう、片手はオムツに添えて。



――ごろんしましょうね。


帰りの馬車の中で、早速おむつ替えをされます。


パッケージなどよく見ずに受け取りました。



今までは白のパンツタイプでした。

お妃様がドレス姿であっても替えやすく、機能性に優れたものでした。



ですが、ルーシアが買って着たものは、今巷の女児に人気のキャラクターが大きく描かれたピンクのテープタイプの物でした。


ルーシアは同年代とくらべてやや身長が高かったのですが、そんなルーシアの体格にあうオムツがデザインの物にある、など考えもしませんでした。



当然嫌がりますが、先程のオムツは王城からの別納購入によるもの。

今誰も現金を持ち込んでおらず、開封もしてしまった今、これしかオムツはありませんでした。


替えてそうそう、また漏らしてしまいそうになります。


元同級生のメイドたちは、ルーシアの両手を握り、抱きしめ、オモラシを褒め称えました。



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