ミュージアム

朝、ミルクを飲んでいたら

「今日はママといっしょにロンディーン・アート・ミュージアムに行くよーっ!」

って、ママは言っている。

ママはミュージアムをめっちゃ好きみたいだ。

家の中にも、いろんな絵を飾っている。

画集とか写真集とかも、いっぱい置いてある。

ママは、たまに家で絵を描いたりもしている。

わたしのことをモデルにして、いつも、ちゃちゃっと、絵を描いて、色えんぴつやマーカーなどで色もつけている。

時には、水彩絵の具を使って、色づけしている。


ママに

「ミュージアムに行くよーっ!」

って言われて

「ハーイ」

って手をあげた。


「あっ!ミュージアム好きなの?」

って聞かれて、うんうんって首をたてに振った。

「おーっ!めっちゃ好きみたいだねーっ!」

って言って、ママもめっちゃ喜んでいる。


ベビーカーに乗って、家を出発した。

ちょっと行くと、すぐにテミューズ川のほとりになる。

テミューズ川に沿って、ベビーカーで移動している。


「あっ!」

また、空の上のほうで、キラリンって光る、ちっちゃなUFO見えた。


ベビーカーの中から、お空のUFOのほうを指差してみた。


ママも、空を見上げて

「うわーっ!今日はちょうど満月なんだねーっ!西の空にきれいに見えるねーっ!太陽も東からのぼってきてるから、今日は満月と太陽、どっちも見れるねーっ!すごいねー!」

って言っている。


ちっちゃなUFOは光りながら、ピューッて、満月のほうに飛んで行ってた。


「あっ!なんか月のほうに、光ってるの飛んでいってたねー!ちっちゃなホタルかなー?」

ってママは言ってる。


わたしはベビーカーの中で、かるく首を横に振ってみた。


ママはベビーカーの中のわたしをちょっと起こしてくれて、それからミュージアムに向かって歩きはじめた。


大通りを渡ろうとしていた。

そしたら、横にも赤ちゃんを抱っこしたママさんいた。

そのママさんは、わたしのママに

「ロンディーンのクルマはビュンビュン飛ばしているから、ちっちゃい子といっしょに渡る時は、たいへんですねーっ」

って話しかけてきた。


「そうですよねー。でも、うちの地元のワオサッカもクルマはビュンビュン飛ばして走ってますけど、みんなうまいこと渡ってますよ」

ってママは答えてた。


「ワオサッカなんですか?」

「ハイ!ワオサッカ知ってますか?」

「ええ!万博やってましたね」

「そうですね!ロンディーンもワオサッカも、ピーターラビッツたちの暮らしている田園地帯ではないですからね~」


それから大通りをいっしょに渡った。

「ありがとう~」

ってママさんは言っていた。

わたしのママも

「こちらこそ、おおきに!ありがとう~」

ってお礼を言っていた。


ママとわたしはミュージアムに行った。






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