新たな危険

そこにはアフロディーテが立っていた。

「うん?どうしたんだ。こんな夜中に」

「いや、まだあんたにお礼を言ってないなって思ったから、、、

私のこと、、守ってくれて、、ありがと、」

アフロディーテは顔を少し赤らめ、俯いた感じで言った。

「い、いやこちらこそ、、、

一回、ウェンティのことを止めてくれて、

ありがとう。」

一瞬、あたりが静寂に包まれる。

「わ、私ねウェンティが自分の中にいる時も

記憶というか、、映像見たいな感じで周りが見えてるの、、、そん時に、私を守ってくれたのをすごい覚えてる。」


「お、おおそうなのか、、、」


「最初にあんたと会った時は胡散臭いやつだなと思ったけど、、、

サンとあんたが決闘した時もサンの魔法から私を守ってくれたし、

今日だって、、また守ってくれた。

多分、私いつからかはわからないけど

わ、私は、あ、あんたのことが、、、



い、いややっぱなんでもないーーー!?」


そう言うとアフロディーテは走って部屋から逃げてしまった。

(な、なんだったんだろう。でも、アフロディーテが無事で本当によかった。)


同じ時間、某聖国の議会

「王よ、一体何があったのですか?」

「どうやら、荒地の周りを囲んでおったタルタロスが突然無くなったようなのだ。」

「な、なんと!、、、」

「それなら、今すぐにでも偵察隊を送りましょう。」

「いや、、、相手はただの魔物の国だ、、、

すぐに制圧できるんではないだろうか、、」

「なるほど、、、クックック流石は我が王」



1週間後、

戦争が終わりひと段落した俺は一回みんなを集めて会議を開いていた。

「よし、みんな集まったな。

ひとまず、今のところの経過報告を頼む。」

「はい、まずは荒地全土の領地を掌握することに成功しました。

それと、一部アンデット側で抵抗が見られたものの、アクス殿が鎮圧してくださいました。」

カインドが説明する。

「おお、さっそく活躍してるな!」

「まぁ、私にとっては朝飯前でしたがね」

カインドが話し始める。

「お、おっほん!

これによって荒地全ての村が我々に服従しています。

現在、アンデット、一部の我が軍の兵士に

荒地の周りの国境付近を警備させているところです。」

「ところで、アンデット軍の要塞から何か出てきたものはないか?」

「流石は閻殿、なんでもお見通しですか!

はい、ドライの部屋から出てきたのですが、こちらです。」

「ん?これは、、、粉?」

「はい、これはおそらく鬼のツノからできているいわゆる"鬼薬"ですね。」

アフロディーテが口を開く。

「なるほど、じゃあこれによってアンデットの軍が興奮状態になり、進軍速度が私達の予想を上回る速さになった、と?」

「流石は、これまで妖精族を束ねていただけあるな!

俺もそう睨んでいる。

以前話に出ていた、アンデットと鬼の仲が良いという噂はどうやら本当のようだ。

それも、"仲が良い"では済まされないくらいにね」

「では、閻殿、次の目的は鬼の国々への対処ということでしょうか?」


















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