不吉な予感はよく当たる
朝、目覚めた俺はみんなにそれぞれの部隊で武器の点検などをするように指示を出した。
正直、何が不吉なことが起ころうとしていると感じたから何かせずにはいられなかったのだ。
そして、カインド、パワー、クレバー、アフロディーテと最後に作戦をまた確認した。
「、、以上が作戦だが、勘違いなどはなかったか?」
「はい!あとは天に任せるだけですね。」
「お主とアフロディーテどのには武運を祈る。」
「必ず勝ちましょう!」
それぞれが社交儀礼を披露する。
「ああ、もちろんだ。」
俺とアフロディーテは作戦会議用のテントを後にする。
「ねぇもし、私があなたの仲間を攻撃したらあなたはどうする?」
「、、、さあ、でもどちらも止めるよ。両方死なれちゃ困るしな。」
「そう、、ね。」
そんな他愛もない会話をしながら、俺と彼女は少しの部隊を率いて森を右に迂回する道に向かった。
「ちょ、ちょっと、、今は私の番なんだけど」
(アフロディーテ?何を喋ってるんだ?、、独り言?)
俺はかなり疑問を感じたが、状況が状況なので軽く流すことにした。
「俺たちは迂回する道を進んでいる。
だから、おそらくあと20分ちょいくらいはかかるだろうから体力を温存しといてくれ。」
俺は連れてきた部隊に声をかける。
しかし、、、
(もう歩いてから20分は経った気がする。なんで敵の本陣のかけらすら見えないんだ?
相変わらずアフロディーテの様子もおかしいし。)
俺は根拠すらないが、何か悪い予感がした。
いや、冷静に考えよう。
まず、仮に20分は経っていたとする。それなのに敵本陣が見えない。
これは敵本陣がここにはいないことを意味する。ということは、、、
「クソッ!やられたかもしれない。ここに本陣がないということはかなり前の方に本陣が移動したということ!、、、」
俺は動揺しながらもそれを隠すために自分に心の仮面を被せる。
一気に迂回するルートを外れて、左に直進し森を抜ける。
そこには俺が罠を巡らせていた平野があり、もう遠くの方までアンデットの軍隊が進んでいた。
「なんだこの進軍速度は、、いやでも今なら逆に背後を取れる!目標は敵本陣、行くぞ!」
俺は部隊を連れて走り出した。
敵本陣、おそらく敵の大将であるドライがいるはずの場所は恐ろしい速度で前進している。
(レーヴァテイン!)
俺はレーヴァテイン片手に突っ込もうとしたその時。
「止まれ。」
そうアフロディーテがつぶやいた。
その瞬間、俺含め部隊の全員が背後から迫る謎の圧迫感に足が動くことを拒否する。
「お前は魔人の坊主か、、まぁいい、そんなことは関係ないんだ。お前から"あの時"のイデアの匂いがぷんぷんするんだ、、。」
そう言いいながら、アフロディーテ、いやアフロディーテの皮を被ったバケモノがこちらに向かってくる。
俺はこの世界に来て初めて恐怖というものを感じた。
「もしかして、お前があの時のイデアなのか?
、、、答えないか。だが、今確信した。」
気づけば俺以外の部隊の兵士が全員倒れている。
「私は今、魔波という威圧を発した。
ただの"魔人"のお前がこれに耐えられるはずがないんだよ!」
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