明日は明日の風が吹く
朝起きた俺はカインド、クレバー、パワー、アフロディーテを集めるために村の中央に向かった。
昨日、俺はアフロディーテと飲み物を飲んだ後に自分の部屋に案内されて、そこで眠ってしまった。
俺が階段を下って村の中央にある会議室のような場所に向かうともうすでに4人は集まっていた。
「おお、閻殿か、、今先に会議を進めてるところだぞ。」
「それで、今は何について話し合っているんだ?」
「ひとまず、、、この同盟の名前を考えているんですよねー。だからぜひ閻さんにも決めてもらってもいいですか?」
カインドが険しい顔をして言う。
まだ起きたばかりの俺にはかなりの難題だ。
「うーん、確かに何も考えずにいつも3部族同盟とかだったからなぁ。、、、、」
(例えば、、、大森林同盟とかか?いや流石に馬鹿にされる、、、、うーん、いづれこの"荒地"という国を併合することも考えて、、、荒地は英語でウェイストランドだからランドを消してウェイスト、、、)
「、、、ウェイスト、なんてどうだ?」
「いいですね!なんかピンときました。」
「私も賛成です!?」
それを聞いた俺は案外みんなのウケが良くてつい調子に乗ってしまいそうになる。
「じゃあ、これから俺たちは【ウェイスト】でいこう。それから、対アンデット作戦についてなんだけど、、あと何日ぐらいでそいつらはくると思う?」
「私はあと1日程度だと考えています。やつらは誰もいない土地をただ前進するだけ、、、おそらく、疲労もあまり感じていないでしょう。」
アフロディーテは険しそうに話す。
(そういえば、、アフロディーテは俺と二人きりで話す時とみんながいる場での口調が少し違うな、、、まぁいいか)
俺は素朴な疑問を考えながらも話に戻る。
「ひとまずは元々ゴブリンとかがいた村の跡地に防衛線を引こう。ゴブリン、ウルフ、オーク、妖精の混合部隊を作れるだけ作ってくれ。その部隊を防衛戦に配置していこう。」
「了解です。しかし、おそらくですが、我々ウェイスト全ての戦力と相手の戦力は五分五分程度で、終結の決め手には欠けます。それはどのようにいたしますか?」
さすがクレバーだ。鋭い指摘が入る。
「ああ、俺としては俺のスキル、鼓舞(天1級)の力もあるし、できれば各個撃破が望ましいが、、、無理だろうから俺とアフロディーテで最初に敵の本陣に回り込んで突撃する。」
「えええ!私はそんなに強くないですよ!あのサンが私たちの中では1番強かったんですから、、、」
「大丈夫だ。最初の一撃にトルネードカッターを打って欲しいんだ。」
「まぁ、それなら多分大丈夫だわ」
「ひとまず、他のみんなには明日に備えさせてくれ、正直あとは実力勝負ってところになってくると思うから。」
「了解です!じゃあ今日は解散しますか」
カインドがそう言うと、その日の会議は終了した。
お昼を過ぎた頃。
俺は部屋に戻ってお茶を飲んでいた。
〈マスター、レベルがまた1上がりました。現在レベル4です。そして、新たに獲得したスキルは以下の通りです。
NEW、夢魔〈天1級〉
夢魔は使うことによって地面に罠を仕掛けることができます。それは相手の精神の中枢に入り込み、相手の士気を大幅に下げることができます。〉
(よし、きた!そろそろレベルが上がると思ってたんだよなー。しかし、なんか陰湿なスキルだな。本格的に地獄のスキルっていう感じがする。)
俺は一人、前のゴブリン達の住処を通り抜けておそらく戦場になるであろう場所に罠を仕掛けまくった。
元の部屋に戻る頃にはあっという間に夕方だった。
みんな明日が戦いだと知らされていて、昨日のような楽しげな雰囲気は一切漂っていない。
俺は魔素を使いすぎたせいかその暗い空気に溶け込んでいくようにすんなり眠ってしまった。
"明日は明日の風が吹く"ふと脳裏にこんな言葉すら浮かぶ。
俺は案外楽しんでるのかもしれない。
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