覚悟の証
完全にキレてしまったパワーに俺はさらに問いかける。
「おい、パワー、、、配下にならないなら、俺はお前たちを助けることはしない、勝手に戦って、勝手に負けて、勝手に死ね」
先ほどまで幸せに満ちたような表情をしていた3人の顔は一気に曇り始める。。。
(まぁしょうがないか、、これは一族の全てを決めるということだからな、、、俺は新しい拠点を探しに行こうかな、、、)
と思い、ドアまで歩き、ドアノブに手をかけたその時、、、
ゴンッという鈍い音が部屋中に響いた。
「お、おお」
カインド、クレバーの驚く声が聞こえる。
俺は勢いよく振り返った。
「ぐぬぬぬ、、、
お、お願いします、、、配下になりますのでどうか、、どうか俺の家族を見殺しにするのだけは、、、」
振り返った先には元いた世界でいう"土下座"をしているパワーがいた。
「やっと、覚悟を決めたようだな、、おいっクレバー、お前はどうする?」
「、、、私たち3部族はこの先、どうなろうと、、、ずっと一緒だと決めました、、、、しかし、、、正当な理由がないと私は認めません。」
「、、、まぁいいだろう。俺がお前たちを配下にしたい理由はまず一つは俺のスキルに由来する。俺のスキル、鼓舞は"配下"になったものだけに魔素を付与し、能力を高めるというものなんだ」
「だったら、、、先にそれを言えばいいのに、、、」
カインドは納得してなさそうな顔でつぶやく。
「それにも理由がある。、、それは、お前たちが俺に命を預けて、俺に全てを賭ける覚悟があるかを確かめたかったんだ。だから、パワー、、、お前の想いは伝わったよ。」
パワーは床につけた頭を上げて言った。
「それじゃあ、、我々の家族に対して乱暴な扱いはしないという約束はできるか、、いやしてくださいますか?」
先ほどまでまるで悪魔を見るかのような目で俺のことを見ていたパワーだったが、今は熱い期待の目に変わっていた。
「もちろんだ!3部族全ての魔物を無下に扱ったりは決してしないし、俺はお前たちを生かすために全力を尽くす!
だから、信じて俺についてきてほしい!」
「はい!私は信じます、信じて一生ついていきます!」カインドは言う。
「最初は疑って悪かった、、、俺もあんたを信頼することにするよ」パワーは言う。
「やはり、、、私が信じたお方は優しい、、まるで天使のようなお方だ、、、」
全身真っ黒な服を着ている俺に向けてクレバーはそういった。ようやく、完全に信頼したのか、、クレバーの目は熱い羨望の目に変わっていた。
「では、、早速ですが、盟主交代の義を始めたいのですが、、、」
カインドは少し気まずそうな顔で話し始めた。
そして、俺は察した。
(そういえば、、、俺名前言ってなくね?)
俺は急いで話始める。
「あ!ああ俺の名前は青木 閻だ!
というかなんで名前を聞いてこなかったんだ?」
「ああ、こっちの世界では自分より上位の存在の名前を自ら聞くことは無礼な行為だとされているんだ。」
パワーは言う。
(なるほど、、常識が違うのか、、)
「で、では盟主継承の儀をしたいと思います。」
そういうと、突然3人は一斉に跪き始めた。
「我々3部族同盟の盟主をこれより"魔人"青木 閻へ継承する。」
3人がそういうと、俺から光の糸が無数に出てきて部屋の外に出て行った。
〈マスター、それは魔物と主従関係を結ぶ際に繋がれる魔素の鎖のようなものです。これから、たくさんの魔物達の情報が入ってくると思いますので、ご注意を。〉
(どういうことだ??)
俺がそう問いかけた瞬間、俺は頭が割れそうなくらいな痛みを感じた。そして、様々な魔物の情報が頭に入ってきてるんだと体で感じた。
(なんだ、、、これは、この村にいる全魔物の名前、性格、スキルなどが全部入ってきてる、、、)
俺は頭を抱えながら倒れた。
(ここはどこだ?)
目が覚めると俺は知らない部屋で寝ていた。
〈マスターはあの3人に変わり、この村にいる3部族の盟主となりました。それから、この村にいる魔物の情報を取り込んだことにより、スキルが大幅に増えました。以下の通りです。
NEW、剣術〈レア〉
NEW、体術〈コモン〉
NEW、威圧〈コモン〉
NEW、体力回復〈レア〉
NEW、嗅覚〈コモン〉
NEW、視力〈レア〉
NEW、魔力回復〈EX〉
NEW、建築〈レア〉
このように、自分の配下になる魔物がもつスキルはスキルツリー外であっても覚えることができます。〉
(なるほど、、、じゃあ、これからも配下を増やしていきたいところだな、、それに、今では様々な魔物の情報がわかるからこれで戦略なども考えられるな、、、)
そんなことを考えているとドアが開き、カインドが部屋に入ってきた。
「おお、もう目覚めましたか、まだ、3時間ほどなのに、、、私たち3人はこれをするたびに2〜3日は寝込んでましたよ。流石、盟主様!
それから、、恐れ多いのですが、、、いまだ多くの魔物が閻さんが盟主になることに納得していなくて、、、できれば演説をしてもらいたいんですが、、、」
(ロキのおかげで少ししか寝込まずに済んだのかな?)
「わかった、すぐ行くよ」
俺は即答した。だが、、、
(え、演説だと、、、緊張するし、、どうしよう、、、)
少し考えようとしたがカインドはそんなのお構いなしに外に連れ出し、現代でいう朝礼台のような置物に俺を登らせた。
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