いざ、異世界へ③
サタンは俺を連れて地獄の奥に連れて行っているようだった。
「お前も、、、大変だったんだな、、」
サタンがおもむろに話し始めた。
「もう旅立つお前にだから言うが、閻魔様は普段あんな温厚な方ではないんだからな。俺様が地獄で働くキッカケも、【フリングホルニ】級の世界を制した俺を無理やり連れてきて働かせた、みたいな酷い話なんだからな!」
(でも、なんか満足してそうな顔をするな、、、)
「これから、お前には様々なことがあるだろう、でも、これだけは忘れるな、いやこれを最優先にしろ
"人生を楽しめ"
イデアとかなんだとかはわからんが、お前は暴走した過去を知らないんだろ?だったら気負わずに人生を楽しめ!」
俺は嬉しそうに答えた。
「ああ、そのつもりだったよ!じゃあな、サタン、お前も頑張れよ!」
(俺はあのクソみたいな前世じゃなくて、、、今度は最高の人生を歩むんだ!)
俺は唇を少し噛んだ。
「じゃあ、、、あの扉を通れば、もう転生できてるはずだ、、、」
サタンは少しだけ寂しそうに言った。
「じゃあ、、行ってくるよ!」
俺は歩みを進める。
「ああ、じゃあな」
目の前には輪っかのようなゲートがあった。
そして、俺は希望を握りしめながらその中に入って行った。
「、、、うん?ここは、、、どこなんだ」
(そうか、俺は転生したのか、、)
周りは草木が生い茂っている。そして、周りにはだれもいないようだった。俺は黒いマントと黒いシャツ、同じく黒いズボンを履いていた。
〈ユニークスキル地獄の覇者の再起動が終了しました〉
(うん?頭の中から直接響いてくる、、、)
〈スキルツリーランク1は既に解放されています。使えるスキルは以下の通りです。〉
・NEW、地獄の封印極〈魔〉
・NEW、悪魔の頭脳(ロキ)〈天1級〉
(〔地獄の封印〕、ってのはイデアの力を抑えるためのやつなのは知ってるが、、、〔悪魔の頭脳〕でロキって読むのか?)
〈はい、先ほどから喋ってるのが私〔ロキ〕でございます。〉
(俺の考えが読めてるのか、、、?)
〈はい、私はスキルではありますが、あなた様がわからないことなどがございましたら、解析、説明をしたり、スキルツリーの管理をいたします。〉
脳内に直接声が響いてくる。俺はやっと、転生したことを自覚したような気がする。
(じゃあ早速だが、この横についている〈天1級〉ってなんだ?)
〈はい、この世界はスキルツリーにまずレア度がありますが、スキルの中にもレア度があります。まず、一番下からコモン、レア、EX、天1級、2級、3級、神1級、鬼1級、魔という段階に分かれています。〉
(なるほど、、、ランクの高いスキルを覚えるにはスキルツリーを上げていくしかないのか、、、)
〈いえ、マスター、、スキルツリーをあげていくことによってもともとのスキルも上がることがあります。〉
(ああ、そうなのか、、あとマスターってなんか、、、恥ずい、、、、)
〈私のことは気軽にロキ、と呼んでいただければ幸いです。それとマスター、魔のスキルはこの世界では強力すぎて持てる人が限られているため、変なことにならないよう私の力で見えないようにしておきます。〉
(ああ、あと、これからよろしくな、ロキ)
俺はおもむろに立ち上がった。でも、まだ何も考えてはいない。
(これから、どうしようかな、、、ひとまずはスキルツリーをレベルアップさせて強くなりたいな、、、)
〈はいマスター、スキルツリーのレベルアップは通常、魔物を狩って魔物が死んだ時に出る【魔素】を吸収していくのが普通ですが、ユニークスキル地獄の覇者では、死んだ時の魔素だけではなく、魔物から常にでている魔素でもレベルアップすることが可能です。どちらにせよ、近くの森に魔物がいますがどうしますか? 〉
僕は驚いた。
(ロキ、周りを探知することができるのか?)
〈はい、まだ限定的ではありますが、少しぐらいなら確認可能です。〉
(そうなのか、、じゃあ、目的地はその森だな!)
俺に、最初からこんな神スキル与えていいのか?そして、、、俺は歩き出した。でも、前世とは少し違う。
なぜなら、今の俺には"生きる意味"があるんだから。
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