三章 あなたの役に立つということ 2


     2


「だーかーらーっ!」


 トビアスは何度目かになる声を張った。空っぽの左袖がふらふらと揺れる。


「僕は、絶対に、やってない!!」


「では貴様以外の誰がやったと言うんだ! 貴様には確かに右手で銃を撃った形跡があり、中将は捜査官支給の銃で射殺されているんだぞ!」


「それを明らかにするのが君たちの仕事じゃないのかい?! こうしてる間にも、真犯人は野放しなんだぞ!!」


 トビアスと対峙するのは捜査局監査部の人間だ。捜査官が何か問題を起こした時は監査部が調査する決まりになっているが、彼はトビアスの話をまるで聞いてくれず「犯行を認めろ」の一点張りだった。欠片も調査の姿勢が見られない。


 怒鳴り返す度に、がんがんと頭が痛む。飲んだ覚えのないアルコールで頭痛と吐き気が止まらなかった。


 実際、トビアスにも何が起こったのか理解できていないのだ。何せ背後から攻撃されて気絶し、目が覚めたら殺人犯として留置場に繋がれていたのだから。「首が痛いから治療してくれ」と頼んでも「治療の必要性はないように見える」としか言われず放置だ。いくら温厚な振る舞いを心がけているとはいえトビアスだってさすがに腹を立てる。


 まったく身に覚えのない罪を負うわけにはいかず、トビアスは頑なに無実を主張し続けた。


 だがふと、疲れと痛みで意識が朦朧とする瞬間に、ひやりとするのだ。



 もしも、記憶にないだけで、本当に自分が中将を殺害していたらどうしよう。



 悪魔が囁いてトビアスの自信を揺るがすのは、決まって瞼が重くなった頃だった。


 だが、だめだ。負けるわけにはいかない。


 トビアスは意識して呼吸を深くした。何度考えても、おそらく電流で気絶させられ、こめかみに何か刺されて、利き手でもない右手だけで中将を射殺するなんて不可能だ。


 トビアスは右手を握りしめ、監査部の人間を睨んだ。


「君たちが仕事をサボってる間に、僕の仲間が真犯人を見つけてくれるはずさ。君たちと違って、みんな優秀だからね!」


 不愉快そうに顔を歪める監査相手に、トビアスは無理にでも笑って見せた。


     ■


 鑑識から借りたツールボックスが、歩く度に小さく音を立てる。


 イレブンは捜査局から少し歩いた先にある電話ボックスに入った。今時、古くて誰も使わない公衆電話の受話器を持ち上げ、決められた番号を入力する。


 硬貨を入れてもいないのに、すぐさま電話は繋がった。


『──はい、こちら公共情報公社です』


「型番の照会をお願いします。魔術の銀、猟犬の十一番」


『型番、確認いたしました。認証コードをお伺いします』


 イレブンが認証コードを伝えると、復唱したオペレーターは愛想のいい声で応じた。


『──認証完了いたしました。通常の処理に移ります』


 通話を終え、受話器を戻した。イレブンは壁にもたれ、扉のガラス越しに通りを眺める。


 誰も古い電話ボックスに見向きもしない。携帯端末の画面や話し相手、自分の行き先ばかりを気にして、一瞥もしないのだ。



 だから、誰も気付きはしない。



 電話ボックスの床に仕込まれた魔導転送機が、鈍い稼働音を立てて動き出す。


 イレブンの髪とスカートが風もないのに揺れた瞬間、電話ボックスの中は無人になっていた。



 諜報部の捜査官は、一分一秒を争う作戦に従事し、多くの敵に囲まれている。


 そのため、一定以上の地位に属する捜査官にのみ、各地に隠された魔導転送機の使用が許可されていた。イレブンも登録上は備品だが、認証番号を持つ立派な諜報部捜査官だ。


 安全性確保のため、魔導転送機管理者の配置やオペレーターによる合言葉の確認、移動ルートの制限はあるものの、移動時間を大幅に短縮できることに変わりはない。


 特に、諜報部の出入りを警戒されていそうな現状では、なおさらだ。



 イレブンは諜報部本部の建物に足を踏み入れた。捜査局と比べると、この建物は極端に音が少ない。すれ違う捜査官は誰も足音を立てず、私語をしない。遠く離れた部屋から本のページをめくる音やペン先が紙を引っ掻く音が聞こえてきそうなほどの静寂に包まれている。


 この建物の中で五人の捜査官が殺害されたことが嘘のようだった。


 中将と連絡が取れないことについて長官に報告した際に、殺人事件が起こったことだけを聞いた。詳細は後程、と言われたのは、ベルクールによる監査を見越してのことだろうか。


 イレブンは迷いなく長官の執務室に向かい、短く告げた。


「長官。イレブンです」


「どうぞ」


 返事を待って扉を開けると、諜報部長官であるベネディクト・グインが書類を決裁箱に入れたところだった。彼は顔を上げ、微笑んでイレブンを迎える。


「猟犬が主人から離れるとは。緊急事態か?」


「はい。先にご報告を」


「聞こう。続けて」


 グインが頷く。イレブンは簡潔に伝えた。


「コルモロン中将殺害の容疑者としてトビアス・ヒルマイナ捜査官が逮捕され、エマ・カナリー捜査官は何者かに襲撃されて手術中です。グラナテマの捜査に関係した人物が軒並み攻撃されている状況と判断します」


「……無事なのは、君が同行していたテオ・スターリング捜査官のみか」


「はい。襲撃の鍵は、中将が持っていた情報にあると推測します。しかし中将殺害について調べるためには、監査部のヴェンデル・ベルクールの妨害を退ける必要がある」


 そこまで述べると、グインは面白がる表情で眉を上げた。


「つまり君の用件は」


「あなたの権力をお借りして邪魔な捜査官を黙らせたい」


「結構。いいだろう」


 グインは喉の奥で笑って「施錠を」と指示した。イレブンが扉の鍵を閉めると、グインは執務机に置いていた青い水晶玉に触れる。水晶玉が淡い光を放ったと同時に、執務室は消音の魔術に包まれていた。これで室内の音声は外に漏れず、外の音が聞こえることもない。


 密室を作り出してから、グインは口を開いた。


「スパイ容疑で逮捕された七名と、デジレ・コルモロン中将とともに証人保護プログラム対象者を調査していた捜査官五名は、舌を金色の針で刺され、喉をナイフで切られ、傷口に蝋燭を押し込まれていた。遺体の傍にはタラスカイト鉱石が置かれており、計十二名がグラナテマの戦勝祈願に供されたことになる」


「……同一組織によるものでしょうか」


「凶器は全て同じだから、おそらくね。ただし、傷の深さがそれぞれ違っていた。一撃で致命傷を負った遺体と、躊躇い傷の多い遺体があり、熟練者と初心者が混じったチームだと判明している」


 そう言って、グインは資料を手渡した。


 五人の捜査官は、背後から喉を切られて亡くなっている。遺体とその周辺には火を放たれ、携帯端末などは念入りに破壊されており、彼らが調査した成果ごと燃えてしまったそうだ。


 七名のスパイ容疑者も背後から喉を切られて亡くなっている。放火こそされていないが看守が殺害され、監視カメラの記録も破壊されていた。


 どちらも犯人の手掛かりはない。練度の違いはあるが訓練された人間の犯行だった。


 イレブンは資料の内容を記憶してグインに返却した。


「……彼らを殺害した犯人と中将を殺害した犯人は別でしょうか。ナイフと銃では手口が大きく異なりますし、中将は儀式に捧げられていません」


「重要な指摘だ。だが、デジレが本部から移動した途端に五人の捜査官が殺害され、彼もまた出先で殺害されたという点は無視すべきでない。私は地続きの犯行だと見るね」


 グインは鼻で笑い、「そもそも」と言って椅子にもたれた。


「ヒルマイナ捜査官の件だが、捜査官の不祥事があった場合、その上司からの報告を待って監査部が動くはずだ。それを飛ばしてベルクールのチームが動いている。第一容疑者が捜査官である、というだけで対応できる速度ではない。警察への通報もなかったんだ。どうやって事件を知り、彼らは動いたのか?」


「ヴェンデル・ベルク―ルが事件の関係者だから、ですか」


「私はそう思う。ベルクールが実行犯か目撃者かは不明だが、誰かから情報を得ていたと見ていいだろう。例えば、うちの捜査官を五人も殺した連中とかね」


 グインは天井にやっていた視線をイレブンに戻して言った。


「ベルクールだが、どういう印象だった?」


「感情の制御ができず、周囲を威圧する傾向にある。日頃から無力感を抱えており、大声で威圧しなければ自らの正しさを主張できない立場の人間だと分析しました」


「つまり吠え癖のついた飼い犬だ、躾が下手な飼い主を持っている。今回の騒動でその飼い主が顔を出せばいいが……奴が何頭犬を飼っていようが、ハウンドに勝ることはないからね」


「ヴェンデル・ベルクールを泳がせますか」


「いや、まずはヒルマイナ捜査官の身の潔白を証明することが最優先だ。そうすればベルクールの動きや彼に情報を与えた存在、諜報部に巣食う裏切り者どもの姿も見えてくるだろう」


 グインは微笑んで姿勢を戻し、メモにペンを走らせた。それを破り取った彼は、紙面を見つめて言う。


「……イレブン。私は、実直で嘘をつけない者が好きだ」


「はい」


「それが、国のため、人のために働く者であれば、なおさらだ」


「はい、長官」


「そんな人間が失われるだなんて、耐え難い」


 グインの視線が動く。その先には壁に飾られた写真があった。古い集合写真だ。そこでは、まだ若いグインとコルモロン中将が笑顔で肩を組んでいた。


「諜報部内は私が対処する。君は諜報部捜査官として中将殺害の真相を探れ。文句を言う奴には私の名前を出していい」


「承知しました」


「では、これを」


 グインは持っていた紙片をイレブンに渡した。十六桁の番号が書かれている。


「使用履歴によると、デジレは死ぬ前に本部からこの番号の魔導転送機へ飛んだ。殺害現場となったバーにも近い場所だ。慎重に探れ」


「記憶しました。確認します」


 紙片を返すと、グインはすぐにそれを暖炉に投げ込んだ。小さな紙片はすぐに燃え尽きる。それを機にグインは水晶玉に触れ、消音の魔術を解除した。


「では、よろしく頼むよ」


「はい。失礼します」


 短く挨拶を交わして、イレブンは執務室を出た。目だけで辺りを確認すると、廊下の角からこちらを見ていた二人組が歩き去る。長官に用があったという様子はない。


(……ここもすっかり敵地か)


 イレブンは速やかに認識を改め、すぐに転送機ホールへ向かった。


 諜報部内では、イレブンも一介の捜査官に過ぎない。それでもこの警戒なのだ、中将はさらに身の危険を感じる状況だったのではないか。


 そして彼は、危険を冒してでもトビアスに伝えたいことがあったから、わざわざ店で落ち合ったのだろう。そのまま生きて帰れない可能性があることも承知の上で。


 彼が何を伝えたかったのか、現時点では知る術がない。だが使用履歴の残る魔導転送機を使って移動したことが、彼のメッセージだと解釈することもできる。


(……例えば、魔導転送機からバーまでの移動中に、情報を隠している、とか)


 魔導転送機周辺の状況確認も兼ねて、イレブンは転送機に番号を入力した。本部から各地の魔導転送機に移動するだけであれば、オペレーターを挟まずに実行される。



 一瞬の浮遊感。



 無機質なホールから、古い煙草屋の廊下に設置された電話ボックスへと景色は一変する。


 電話ボックスの扉を開けて店内に入ると、雑貨や新聞、個包装の菓子が並ぶ棚があり、カウンターの内側で店主が新聞を読みながら煙草をふかしていた。


 煙草屋の主人は新聞から顔を上げると、目を丸くした。


「お嬢ちゃん、ちょいと」


 呼び止められるまま、イレブンは足を止めた。


 彼は魔導転送機の管理人であるはずだ。大抵、管理人は面倒を嫌って捜査官との交流は避けている。


 だが、煙草屋の主人はにこにこと愛想のいい笑顔で立ち上がった。


「もしかして、アンタが『アルエット』かい? 伯父さんから預かりものがあるんだ」


 アルエット、伯父、という単語に豪華客船での捜査が連想される。


 中将だ。イレブンは確信してカウンターに駆け寄った。


「伯父が、私に何か」


「ちょっと待ってなさい。今持ってくるから」


 主人はカウンターの奥へ一度引っ込むと、キャラメルの箱を手に戻ってきた。


「はい、これ。あの人は『渡すだけで伝わる』って言ってたけど」


「……ありがとうございます。確認します」


 キャラメルの箱を受け取ると、開封済みだった。キャラメルより明らかに重い。蓋を開けると、キャラメルがいくつかとウォード錠の鍵が入っていた。


 鍵は真鍮製で、持ち手は歯車を重ねたデザインだ。小さいがとても繊細な作りで、歯車は実際に回転する。よく見ると、鍵にはびっしりと細かい魔法陣が書き込まれていた。細部まで凝った作りだ。


 だがそれにしては、歯車と鍵、魔法陣に欠けがある。どれも途中で途切れているのだ。


(……そうか。二つで一つになる鍵。これはその片割れだ)


 イレブンは鍵を大切にキャラメルの箱に戻した。


 ウォード錠はとても古い鍵だ。この国では簡単にピッキングできないように、多彩な魔術の罠とともに使用され、歴史ある建物やアンティーク家具では未だに現役を務めている。


 この鍵を使う場所に、中将は重要なものを隠したはずだ。もし鍵を奪われても使えないように、鍵の半分をイレブンに託すことで守ったのだろう。残り半分は中将が隠し持っていたかもしれない。


 イレブンは顔を上げ、煙草屋の主人を見上げた。


「伯父は他に何か言っていましたか」


「寡黙な人だったからなぁ。アンタの外見について聞いたぐらいだね」


「そうでしたか。ご親切に、ありがとうございました」


「いいや。お仕事、頑張ってね」


 イレブンはキャラメルの箱をポケットに入れて裏口から店を出た。煙草屋の敷地に飢えられた金木犀の花が咲き誇り、時折小さな花を地面に落としている。


 すると、スーツ姿の男が立ちふさがった。男はイレブンを見下ろして尋ねる。


「なぜここへ? どこから来た?」


「本部からです。長官の命令で、中将殺害の真相を探りに来ました」


 男の表情は変わらなかったが、全身に緊張が滲んだ。この態度からして、彼は末端の捜査官だ。長官とは会ったこともないだろう。


 立場の違いを想像したのか、彼は道を開けて敬礼した。


「……失礼しました。お通りください」


「いえ、お疲れ様です」


 イレブンも敬礼を返してその場から立ち去った。事件現場となったバーに向かう途中、点々と捜査官が立っているのが見える。


 人間の仕事は相変わらず非効率的だ。イレブンは彼らから目を逸らし、古い建物、古い品物を扱う場所がないか視線を巡らせる。


 周囲の建物は集合住宅が多く、ウォード錠が採用されているようには見えなかった。だがふと、イレブンは多くのランタンで飾り立てた店構えのアンティークショップで立ち止まる。


 店先に並んだランタンだけでも、経過年数には数百年の幅がある。ショーケースに飾られたオルゴールは、その音色に誘われた妖精を捕らえる罠が付属した骨董品だ。


 出入口近くのカウンターでくつろいでいた老婦人が、イレブンに気付いて微笑む。イレブンは周囲の物に触れないように気を付けながら、彼女に駆け寄った。


「ご機嫌よう、レディ」


「まあ、ふふふ! ご機嫌よう、素敵なお嬢さん」


「こちらには、ウォード錠を使用したアンティークはありますか」


「もちろん。宝石箱から大時計まで、たくさんあるわ」


 イレブンは老婦人に示され、店内を覗き込んだ。確かに家具や小物、古めかしいドレス、人形、銀食器、歴史ある物はなんでも揃えているように見える。


 しわがれた猫の声がして振り向くと、ショーケースの一角に置かれたクッションで猫がくつろいでいた。長い尾は二つに分かれている。イレブンの視線に気付くと、猫はニィッと人のような笑顔で応じた。


「……猫又ですか」


「うちの店を気に入ってくれてね。とっても優秀な警備員なの」


 老婦人は穏やかに笑う。


「気に入らないお客さんはすぐ追い出してしまうから、商売の時は少し困るのだけど……あなたのことはきっと気に入ったのね。この子、きらきらしたものが好きなの」


「髪のことでしょうか。光栄です」


 猫又が店番をするぐらいだ、他にも隠れているかもしれない。イレブンは慎重に店内を見回した。


「……では、誰かが店に押し入ろうとしても、大丈夫でしょうか」


「まあ。そんな物騒なことは滅多にないけれど、そうね、平気よ」


 老婦人が不思議そうな顔で頷く。イレブンはキャラメルの箱から鍵を取り出し、彼女に見せた。彼女は眼鏡をかけて鍵を見つめる。


「あら、これは……」


「伯父から預かった鍵の片割れです。こちらのお店で扱っている商品でしょうか」


「ええ、ええ、確かに。そう、あなたが姪のアルエット様ね? 伯父様から伺ったわ」


 老婦人は嬉しそうに微笑み、鍵をイレブンに返した。


「昨夜、遅い時間に伯父様が店に来られてね。『仕事の都合で急な出張が入ってしまったから、姪が受け取りに行きます』とおっしゃったの。それで……あら、うふふ、ここからは内緒にした方がいいわね。きっとサプライズのつもりだったんでしょうから」


「伯父は商品を受け取らなかったのですか」


「ええ、仕事中だからとおっしゃって、鍵だけお受け取りになったの。アンティークの宝石箱でね、とっても素敵なのよ」


 イレブンは「そうなのですね」と相槌を打ちながら、鍵をキャラメルの箱に戻した。


 中将は昨夜この店に来て、宝石箱に何か細工をした。そして鍵を受け取り、片割れを煙草屋の主人に預けたといったところだろう。だとすれば、もう片方は中将が持っているかもしれない。検視官に確認しなければ。


 イレブンは店の外に目をやった。諜報部の捜査官がこちらに関心を持っている様子だ。


「……申し訳ありません。私もこれから仕事でして。改めてお伺いしてもよろしいでしょうか」


「もちろん、構わないわ。電話さえくれたら、遅い時間でも対応しているから」


「ありがとうございます。ではお伺いする前に電話いたしますので」


 イレブンは老婦人に店の電話番号を教えてもらってから店を出た。


 鍵の使用先は判明した。そうと分かるように中将がヒントを残してくれたおかげだ。残るはトビアスの無実を示す証拠だ。


 イレブンは自分に向けられる捜査官の視線を引きながら、ふと細い路地に入った。




 スーツ姿の二人組が、急いで細い路地に飛び込む。


 だがそこに、イレブンの姿などどこにもなかった。

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