閑話ここまで】
第83話:受験勉強のBGMは?
春休みを終え。
スペシャルイベントの、サバイバルゲームも終わり。
三年生。
はぁ……受験生。
蘭先輩と
放課後に図書室に集まってお勉強会の日々。
それぞれ、両親からも鳥撮りは控えるようにとのお達しもあり。
休日にもお勉強三昧。
ザンマイ。
うぬぬー。
放課後図書室でのお勉強もひと段落してひと息。
「
蘭先輩が、ぽつり。
「サンコンとか見れるンやろ?」
そう言えば、方菜ちゃんがこっちに引っ越して来たのは夏。
春の
「うん。去年は見れたよ、撮れたよ、サンコウチョウ」
「うぅ……せめてサンコンだけでも見たいなぁ……」
「高望みしなければ、今の成績でも普通に大学には行けそうですけどね」
「かと言って、鳥撮り三昧して、落っこちでもしたら……」
「ソレや」
「ですわねぇ……」
はぁ……。
三人、ため息の連鎖。
仕方ないとは言え。
今年一年は、我慢かー。
な?
「それはそうと、ふたりとも、こんなサイト、ご存知かしら?」
「ん?」
蘭先輩がメッセージアプリになにやらアドレスを送って来る。
「何なン、これ?」
スタート・ドット・エフエム。
「動画サイト?」
「いえ、画像じゃなくて、音声だけの配信サイトですわ」
「ほーほー?」
「ヘッドフォン付けて、聴いてみてごらんなさいな」
「ほいほーい」
ほいほい。
カバンの中からヘッドフォンを取り出して接続して。
再生ボタンを押してみる。
風の音。
樹の葉の擦れるような音。
水の流れる音。
遠くから聞こえて来るそれらの音に混ざって。
「あ、オオルリや」
「キビタキもいるね」
「良いでしょ?」
どこかの森で、鳥の鳴き声を録音したものが公開されているらしい。
「あ! サンコンやっ!」
ほぼ同じタイミングでスタートボタンを押したらしい。
わたしの耳にもサンコウチョウの声が聞こえて来る。
「ふわぁ……こンなン、あンねンなぁ……えぇなぁ、コレ……」
「でしょ?」
うんうん。
「これを聞きながらお勉強すれば、効率もアップ、ですわ」
「蘭、これ聞きながらやってるの?」
さすが蘭先輩?
「いえ、昨夜発見して是非紹介を、と」
ぉぃ?
「あー? コレ、なンやろ……ムシクイかいな?」
「センダイかな?」
「んー、音
鳥の声が気になって。
「勉強には集中できそうにない感?」
「……ですわね」
はい、蘭先輩、アウトぉ。
とりあえず。
鳥の声は外して、なにかいい音楽とか、環境音が無いか探す旅に出る三人。
なんだかんだ、それぞれの好みもあるので。
わたしは、波の音にしてみた。
方菜ちゃんは川のせせらぎ。
蘭先輩は。
「これが一番落ち着きますわね」
聴かせてもらったら。
「何で銃声!?」
あー。
いや、でも。
なんとなく?
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