第27話:一月は行き、二月は逃げ、三月は去るるん
一月は行き、二月は逃げ、三月は去るるん
年末に公園でオオタカさんに出会って早二か月余り。
オオタカさんと同時にカワサキさんと出会い、その伝手で蘭先輩とも出会えた。
蘭先輩と出会った事で石田君とは少し疎遠になりつつあるけど、これは仕方ないか。
恋をしたことが無いから、恋に恋する、恋に焦がれる。
恋は
二月。
珍しく大雪が降った後の土曜日。
路面が凍結して自転車で公園に行くことができず。雪も大量に残っていて、でも、天気はすごく良くて、徒歩で公園へ。
オオタカ島のある池も一部凍結。
凍っていない部分にカルガモさんの群れ。
それが何故か、ぐるぐると円を描くように集団で周っていた。
何をやってるんだろう?
水面が凍らないように水をかき混ぜてるんじゃないかな、ってカワサキさん。
なるほど。
凍ってる部分でちょこちょこ歩き回るセグロセキレイさんが可愛いかったなぁ。
あと、オオタカさんの子供に出会った。
若鳥、
色とか模様とかも違うんだね。最初、全然違う鳥さんかと思ったよ。
親……成鳥と違って、全体的に茶色っぽい感じ。
胸からお腹にかけて、茶色くて太い縦縞。成鳥は薄い横縞。
そんなオオタカさんのお子さんの鳴き声も、初めて聞いた。
鳴き声と言えば、三月に入ってウグイスさんが鳴きはじめた。
『ホー、ホケキョ』ではなく。
『ホー、ホ、ホケっ』みたく、不完全。ちょっと笑った。
まだまだ練習中ってことらしく、訓練してちゃんと鳴けるようになるんだって。
訓練かぁ……。訓練……学習……勉強……。
期末試験、と言うか、学年末試験に向けて、お勉強ブースト。
ここでも蘭先輩大活躍。成績優秀なんですって!
なので、おねだりして蘭先輩のお家でお勉強会!
蘭先輩のお家、大きなお屋敷かと思ったら、普通の住宅だった。
お嬢様っぽいと思ったけど、ごくごく一般家庭。
お母さんの実家が大きくて、小さい頃からそっちでお祖母さんのお世話になることが多かったそうな。
蘭先輩の口調は、お祖母さんの影響だとか。
そのお祖母さんが蘭先輩を連れて実家……カワサキさんの家にもよく遊びに行ってたと。そこでカワサキさんに鳥撮りに連れられて、鳥(とFPS)にはまったんだって。
蘭先輩のおかげもあり、学年末試験を乗り切って、春休み!
鳥撮り三昧! とは行かず。蘭先輩の指導で、春休み中も鳥撮りの合間に勉強会。一年生の復習などなど。
FPSもかなり熱心に勧められたんだけど、これはパス。
あんまり興味が無いのもあるけど、そんなのやり出したら、完全にキャパオーバーですよ、わたしには。
そんな勉強会の合間。
疑問に思ってた事をちょっと聞いてみた。
「ねーねー、家とか公園だと眼鏡ナシで髪もストレートなのに、学校で三つ編み眼鏡なのは、
「いつか訊いて来るかと思ってましたが、ずいぶん引っ張りましたわね」
「いやー、なんか訊きそびれ?」
「高校『逆』デビュー、ですわ」
「『逆』?」
「ええ。高校デビューの逆。少~中学時代、目立ちすぎて色々と鬱陶しい事が多くって。高校では目立たないように地味に見せてるんですの」
「でも、公園じゃ眼鏡も外して髪も降ろしてるよね」
「ファインダー見るのに眼鏡が邪魔なんですわよ。髪も縛ると頭が窮屈ですしね」
「公園じゃだいぶ目立ってると思うけど?」
めっちゃ美人さんだしね。
「おじさまと一緒に居ますし、多少目立っても問題ありませんわ。小さい頃からの知り合いの方も多いですし、それに……」
「それに?」
「髪も黒く染めたので、目立ち方も多少、マシになってる筈ですわ」
「黒く染めた??」
「……本当は金、ですの……瞳もカラーコンタクトで茶色っぽくしてるんですのよ」
!!!
衝撃の事実。蘭先輩は、金髪碧眼だった!
なんでも、お祖父さんの家系が欧州の方らしい。
なんか……苦労してきたのね、蘭先輩……。
思わず、頭なでなでしてあげたくなった。
「何やってるんですの?」
あ。本当にしちゃってた。ごめん先輩。
そんな春休みが終われば、新学期から蘭先輩共々、二年生。
校舎の四階から三階へ移動になるので、階段の昇り降りが少し楽になるるん!
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近況ノートへのリンク
氷上のセグロセキレイさんとオオタカ若
https://kakuyomu.jp/users/nrrn/news/16817330657234414605
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