第12話 フューシャーピンク

「フィーシャーピンク」

”フクシアという花のような色”という意味の明るいピンク色で

やや紫がかっている。

元は16世紀のドイツの植物学者・フックスの名前に由来している。

現代では、洋服や化粧品の色名として定着している。(引用)


彼女はいつも同じリボンをつけている


この辺では有名な大企業の娘なのに

毎日あのリボンだけは自分で手入れをしているらしい


「いつも同じリボンをしてるよね」


誰かが聞いた


「うん、お気に入りなの」


陽気な男子生徒がふざけてリボンを解いた


「ただのリボンだろ?」


彼女は微笑んだまま男子生徒の手からリボンを取り、

僕に近づく


「結んで?」


彼女の手にある少し褪せた”フィーシャーピンク”のリボン

僕は幼い頃君と約束したことを思い出した


”大きくなったら結婚しようね”


彼女は少し頬を赤らめていた



C:10 M:60 Y:10 K:0

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