第5話 韓紅花(からくれない)

「韓紅花」

古代中国の呉の国から伝わった藍(染料)の意味で、

呉藍(くれあい)と呼ばれた紅花が、時代が進み外国産であることを強調する

「韓(唐)」をつけて”韓紅花”と呼ばれるようになったもの。

在原業平が紅葉の名所を詠んだ和歌の下句

「からくれないに水くくるとは」が有名。(引用)



近所の彼女は年上だが少し幼げ

しかし、韓紅花のスカートがよく似合う


彼女との出会いは春先の桜舞う頃だった


趣味のカメラをぶら下げ歩いていた時

桜吹雪の中から現れた彼女は雅だったのを鮮明に覚えている


「こんにちは。」


春の澄んだ青空のような優しい声の彼女に

僕はシャッターを切ったんだ


そして

今、僕のファインダーには

韓紅花のスカートがよく似合う君だけが写っている



C:0 M:80 Y:45 K:0

#e95464

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