第13話 文化の違いって怖いよねえ
Hello everyone !とうやです
一年生もラストにさしかかり、この一年で一大イベントがやってきたの知ってる?
そう、留学生の語学研修だ
うちの学校は何人か招いて1日だけ、海外のエリート候補が何名かやってくる。
勿論、私達の語学向上も一つの理由に挙げられるがー
本質は、海外のお偉い子供達の軽い旅行みたいなもんだ。5.6年生ぐらいが3泊4日で世界各国へ遊びに行っている、今回来る子供たちはそのついでみたいな感じだ。
結果、どうなるかと言うと…
子供達が興味あるのは私達の交流ではなくジャンプショップとかだろう、あと金閣寺とか
だから、私達の学校の目的とは違い、子供達はかなり自由に過ごす。
交流ではなく使いっ走りや、興味を持たれず馬鹿にされたり、、
うちの学校ではかなり語学的な教育に力を入れそこそこ話せるものもいるのだが、海外から来る子供達の思惑とは違う為色々とGAPがあり仲良くなれる子が出来るなんて一握りというのが現実だった。
今回何故私がそう言った事情を知っているのかでいうと学級委員長、かつそこそこ語学には自信が会ったので薫ちゃんと一緒に呼び出されたからだ。普通は5.6年生の一部で対応するのだが、何人かの日本の生徒が途中で帰ってしまったという。
私達は急に呼ばれたので何事かと思ったが…目の前の繰り広げられる光景で察した。特にロンドンから来ると言うのもあると思うが、酷い有様だ。
最初の印象は、海外から来た子供たちは利発そうでやっぱ海外ならではの爽やかさがあり、日本人でいたらモデルをやってそうな可愛い子ばかりだな〜とか思った。日本人は童顔と言ったりするが、同じ5.6年生を比べても身長も顔立ちも全然違った。高校生かよって思う子もいた。
酷い有様だ…って言った理由だが、先に来てた5.6年生の子達がどうみても馬鹿にされてる。きっと帰った子は聞き取りは出来たのかな?今残ってる子は、話すことはできるけど多分聞き取りとか出来なくて状況とかが分かってないに違いない。
この会はあと2時間ぐらいだが、先生達はまた海外から来た先生と話しているのでこの場には子供たちしか居ない。
うお、、きっっつとか思ったけど、今後の信頼度の為にそこそこやっていかなければと思いました…(感想)
私はつけていたリボンを外し、そこまで長くない髪を束ねていたゴムを外す。優等生っぽさ全面だった髪型を癖毛に合わせてラフな感じにする。耳に髪をかけ前髪を作る。
これはおまじないみたいなものなんだけどね、笑
隣で私の近くから離れず可愛いって言ってる薫ちゃんの手を引き、1番大きい三人組に声をかける。勿論英語でね、
ちなみに、彼等の隣には頑張って話している男の子がいたけど、彼等は聞いても居ないからいいだろう
『初めまして、日本楽しんでる?』
『私はヒーローとご飯だけは君達の国に勝てると思ってるんだけどどうかな?』
3人で話してた彼らは急に話しかけられた存在の方に視線を落とす
そして周りの学生も私達に注目する
思った通り3人はこの会の中でも力を持っているグループなんだろう。
言葉の数々に聞こえる、猿や黄色などの意味は私達に通じないと思ってるに違いない。
でも、それを止めるものがいないのは止められる人ではないか、必要がないか…
彼らの中でも細身で綺麗なブランドヘアを上品にまとめてる優しげな顔をした男の子がしゃがみながら答えてくれる
「よう、小人達、またより小さい子を僕らの相手に選んでくれたようだ。小さい国らしいね?ハハ
君たちは構わなくてもいいよ、僕らは君たちを見ているだけでも面白い。
僕達の言っていること通じてるかな?
いや、手伝ってくれてありがとう」
そしてその隣のガタイの良さそうなショートにした男の子が私の隣の薫ちゃんに声をかける
「初めまして、君は可愛いね、いくつ?」
明らかに声が優しく、聞き取りやすい英語だった。初めの男はバカにしながらも少し試しているのだろう。そして2人目の男は薫ちゃんに対して少し興味を持ったか…?
まあ、綺麗な黒髪、日本人の中でもベストオブベストの二重美人だもんな、好きになりやすいよな。わかる。
逆に、私は好意を持たれにくい顔をしている。ある意味癖っ毛でぱっちりおめめだけど、海外の人が良く好きになるアジアン感は少ないから興味を持たれにくいのだろう。
髪を下ろして少しはあどけなさを消したつもりだったけど、どう頑張っても幼稚園児ぐらいにしか思われてないな
とはいえ、これで薫ちゃんはこの男に優しくこの場をしてもらえるかな、、クソ嫌だけどね
2時間ごときじゃどうにもならんから安心かな
薫ちゃんが大柄な男と話すのを横目に、私は先ほど『手伝ってくれてありがとう』なんて言葉を話すやつに目を向ける
くそっ、知ってんだぞ!京都人並みの嫌味だってな!!!!
『ねえ、見てるだけが面白いなんて流石大人だね。日本ではそれしか面白いこと見つけられなかったのかな?(ピエン)良ければ教えてあげようか?仕事だし』
彼は、今までの笑顔を崩さず左の眉だけピクリとしながら大柄な友達を見る。
でも大柄な友達は薫ちゃんと話すのに夢中なので、諦めたようにもう1人の友達の方を向く。
よく見ると彼と彼はとても似ている。
あっ、双子か…!
そう思った時に、まだ言葉を発してなかった友達の方が声を上げる
『勇ましいね』
私は驚いた。声が女性だったからだ。
彼女は続けて、
『(大柄な)彼は君の友達に夢中だから、あっちで三人で話そうよ』
と声を掛けてくれた、
私は薫ちゃんに小声で日本語で
(なんかあったらすぐきて)
って声をかけて2人がいる場所へ向かった。
彼等が移動してる時、別グループの海外の女の子が小声でこそっと話したが彼らは手招きするように断っていた。
正直、緊張している。
今は多分面白がってはくれてるが、最初に話しかけた時の目は見下しているのが分かる目だった。
なんで急に任された会で自分に何のメリットもないのにここまで頑張ってるか----それは、馬鹿にされてむかっとしたんだろうなって思う。
ここまできたら意地だわ!!!!!!!
『ねえ、いくつ?』
『6歳だよ』
『凄いなあ君たちの仲間は中々話せない人も多くてね、退屈だったんだ』
『そうだね、名前は』
『ゆー』
『ゆーはゆー???』ハハ
『とーやでいいよ』
『私たちはフランとジャンヌ、宜しくねとーや』
『見られるだけじゃなくて、話してもらえて良かったよ。私は話す方が楽しいしね』
『で、日本ではどこがおすすめなんだって?』
『そうだね、君たちくらいの歳ならお寺とかいいと思うよ。見るだけでも興味持てるんじゃないかな』
『言うね、!』
矢継ぎ早に来る質問に、本気で勉強してて良かったと思う瞬間だった。
正直、もう馬鹿にしてるとか分からなかったから言い返しはしてたつもりだけど、、
『君は何?僕たちと仲良くなりたいの?』
『そうだね、、』
私は彼女の方の手を取り、手の甲にキスをしてウインクをする
『親愛を込めて、日本へようこそ』
ちょうど先生方が入ってきた、このとても長く感じた時間は終わったらしい
彼女は驚いたように手の甲をみて
彼はそんな姿を見て爽やかに笑い、僕にはハグをと私をそっと抱きしめた
その後彼女、ジャンヌも、今日変化がなかったその顔をニヤリと笑い、彼と変わるように私にハグをした
『またすぐ会える日が来ると思うよ♪』
最後にそう言ってこの会は終わった
ハッっと慌てて薫ちゃんの方を見ると、彼女は握手だけして私の方に寄ってきた。
私もこれでようやく終わったと、安堵したよ
_____________________
ねえ、アレン
可愛い女の子とは楽しめたかな?
めっちゃ楽しかったさ、子供と話すのは楽しいものだ。最初に来た奴らより話せたしな
それより、お前たちの方が楽しんでたんじゃないか?
まあね、面白い子がいたよ
ゆー とーやだっけ?
ゆー??ゆう???
あっ、調べたら子役らしい
ジャンヌ、お父さんに連絡して?
うん、彼女がいう日本を案内してもらわないと
ごめん、アレン先帰ってて
お前ら、外交官の親を持つからって自由に使うなよ
何言ってるんだ?お父さんとの時間を少しだけ楽しむだけさ
ってか先生に言ったらなんとかなりそうじゃない?
あっ、じゃあカオルも呼んでよ
自分で呼べば?でも君が呼んだらなんか危ない意味で捉えられそうだからやめた方がいいと思うけどね、
なんでお前らは大丈夫なんだよ?
彼女と約束したらからね、あと僕たちはそう言う立場だからさ___
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