第9話 仕事は下心といったりするしさあ
おつおつ〜東谷優だよー!
みんなと会わない間に大人の女になっちまってさあ!今日は入学式ってわけよ!
ねえ、私いま手を繋いで歩いているんだけどなあぜなあぜ?
しらゆきちゃんと…
覚えてない人のために説明するとしらゆきちゃんは同じアパートの住人で、お金持ちで肌が白くて前世では出会った事ないな〜なんて美少女だ。公園散策でも会えなかったのになんで手を繋ぐ事になったのかなあ?なあぜなあぜ?って
なるよね〜
実は小学校一緒だったんだー!ちなみに薫ちゃんも一緒だよー!ひかりちゃんは違うんだけどね、さみちい。
パパとママに見守られながら参加した入学式はびっくりするほど豪華で、一人一人優秀そうな受け答えをしている周りの少年少女に媚び売るぞ〜!なんて息巻いてたんだけど…
事件起きたんだよね、
教室に移動するときに、目の前の子が大丈夫?って声かけてたんだよ。見てみると小さい銀色っぽい髪をした女の子が座ってたんだ。銀色っていうよりもさらに近い感じかな。それは良いとして、先生も気づかないで前歩いてたから、その声かけた子に先生呼んできてって声をかけて、私もその子に掛けをかけたんだ。
大丈夫じゃないよね、
しゃがんでいる姿があまりにも小さいから、子供だなって思って、背中さすりながら先生来るから安心してねって。
そしたら声をたどるように私を見上げたその子と目があったんだ。
黒とは程遠い、本当に薄い色の目が日差しが相待ってから薄青い光を照らして、時が止まった。
び、びしょうじょ!!!!!!!!!!
心の中で声が反芻した。
うわぁぁダァあー!
壊れちゃう。私の美少女カウンター壊れちゃう…!!!えっ、世の中に可愛い子ってこんなにいるの?やばない???????
オッチャッタ…
どうしたの?
オトシチャッタ…
何を落としちゃったの?
お母さんから貰ったお守り
小さい声で泣きながらそういう彼女の力になってあげたくて、思わず探しに行こう!って声をかけた。
しらゆきちゃんは小さく頷き、私の手をちょこんって握った。
私は力強く握りしめ、歩いてきた廊下を戻り始めた。
先生が走ってやってきて私たち2人は一旦教室に向かうことになったんだけどね。
そうだよね笑
移動中だったもんね笑笑
しらゆきちゃんは最初のホームルームが始まっても顔を下に向けたまま、また自己紹介の挨拶も名前だけ言って終わってた。
えっ、私?
私は有名人だからね!CMも出ちゃってるもんね!持ち前のスキル発揮しちゃったよね!
初めて!とうやゆうでふ!
ご、ごほん、、
昨夜は楽しみで寝れませんでした。宜しくお願いします。
何喋ろうとしたか考えてた内容忘れちゃったけどね、ことばかみかみなの直らないね!!
自己紹介も終わって、本当だったら大事な大事な交友関係に響く休み時間に私はすぐ廊下に出た。
前世から道を覚える事だけは得意だったから、体育館までの道のりを猛ダッシュで駆け抜けた。下を見ながら、結果、可愛いハートマークのアクセサリーが落ちてた。
いやいや小学生でアクセサリーなんていいんか!?って思いながら多分これだろなって拾って急ぎ戻った。
ちょっとだけ間に合わなかった。
入学式というのもあって自己紹介終わった後の授業はなく、明日の準備連絡等で今日の授業は終わりらしい。
授業終わったらさっきの落とし物をすぐしらゆきちゃんに渡してあげようと思ってたら、さっき私の前に大丈夫と声をかけてた男の子がしらゆきちゃんに声をかけてた。
ねえ、なんでさっきしゃがんでたの?大丈夫??でもしらゆきちゃんはそれに答えず下を向いている。男の子は上擦ったような声で続けて、なんで髪が白いの?って声をかけた。
側から見ると男の子はしらゆきちゃんと仲良くなりたいらしい。しかし、どう見てもしらゆきちゃんは怯えている。
いやいやいや、あんたそこアタイの場所やねん。
2人の間に割り込むように後ろから
ねえ、しらゆきちゃん!もしかしてこれのことかな?
ってさっき拾ったアクセサリーの彼女だけに見えるように見せた。
俯いていたしらゆきちゃんは私の声に反応して可愛らしい顔を差し出した手に向けて、あっ、って奪うようにってか奪ってった。
そして、もう一度、あっ、って声を出して
立ち上がって私の顔の方に、その綺麗な顔を近寄せてきた。
正直、キスされると思った。
そんなわけもなく、耳元に口を寄せてアリガトウって小さな声で呟いた。
キスされるかと思った(マセガキ)
あまりにも可愛かったから、良かったって抱きついちゃったら、ビクッと身体を震えさせたのち、おずおずと手を私の背の方に伸ばしてギュッとしてくれた
恋に落ちた
気づけば男の子は居なくなってたんだけど。後ろからの声で現実世界に戻って来れた
ゆうちゃん!一緒に帰ろ〜!
えっ、、
えっ、振り向くと薫ちゃんがいた。薫ちゃんは習い事も相待って1番良くあってるから、1番の仲良しと言っても過言ではない。
驚いたのも束の間、薫ちゃんが無言で私に近寄り、未だ抱きついている左手を持ってしらゆきちゃんから引き離そうとした。
所詮、小学生、右手はしらゆきちゃんの腰に添えたまま挟まれる形で止まった。
あわあわあわあ、なんか修羅場〜!
って思ったら
薫ちゃんが小さな声で私のなのにって、
ガチ修羅場だった!
とはいえ、そんな勢いにしらゆきちゃんもビビってしまって声を発さなくなってしまった。
ここは私が出番だなって!
思わざるえなかった。クラスのはじの方でしていた会話は、隣のクラスの子が急に入ってきたのもあり、みんながこっちを見ていた
薫ちゃん一緒に帰ろ〜なんて声をかけてるのに、薫ちゃんは私の左手を掴んだまま後ろのしらゆきちゃんを睨みつけてる
やばばばって焦って私も声も出なかった時に助け舟が
ゆう帰るよ〜!って
そうじゃん!今日親いるじゃん!
入学式終わったら保護者の方と帰るため、廊下で待機してる形だったのだ。薫ちゃんが入ってきたのも校門で一緒に写真撮るので連れてきてって私のお母さんから言われたかららしい。
私が廊下に出ようとした時2人とはまだ手を繋いだまんまだったんだけど(繋がれた?)、そんな姿をみて保護者達は和やかに笑ってた
しらゆきちゃんは、パパが来てたらしくパパの姿を見つけると一目散に走って抱きついてた。
しらゆきパパは高身長で爽やかに6.4分けをした感じの優しそうな和っぽい人だった。
笑うと目がなくなる感じの柔らかい人。
しらゆきちゃんが洋風な感じなのでちょっと想像とは違ったけど、顔面の整い方が似ていた。
私の両親はそこまで背が高くない
薫ちゃんはお母さんがモデルで高め、しらゆきちゃんもお父さんが高いので、今私より小さいこの2人は今後私より大きくなるのかななんて思ったりした。
ねえ、ゆうちゃん
こっち向いて
私は薫ちゃんの方が見れなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます