3ターン目 小川(奴隷)

嘘。だと、いってよ。

ひどい。【儀式】で新しい封筒を得た。


私は奴隷になっていた。

谷口に詰め寄る。


「ねぇ、なんであんな事言ったの?」

  「誰も傷つかない選択をするって!」


谷口は、ゆっくりと頷くと

「小川さんと吉川さんの会話が聞こえてさ」と言った。



あの会話を?聞かれてた?


『ねぇ、武藤が祈祷師だって、確信できる?』

  『私も、出来ない』



「だからね。小川さんと、吉川さんが【市民】だって、分かった」



納得出来ない。

「なんで『私』なの?【市民】は2人いるのに、私を【奴隷】に」


谷口は、くすくす、と笑っていた。

「やっぱり、か」

 「本当はね、会話なんて聴こえてなかったから、ほとんど推測だったんだけど」



かまを、かけられた。

これで、私が【奴隷】だと、吉川さんが【市民】だと知られた。


全身から力が抜ける。頭の中が真っ白だ。

視界の端で、とてつもない形相でこちらを睨んでいる島尾が見えた。

なんで、あの人、怒ってるんだろう。

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