私の、武藤に向けた『呪詛』が不発に終わった。

でも、もうそんな事はどうでも良い。

これで、もう、全員助かるじゃない。

「2ターン目は、みんな俺を冒涜してほしい」と花田が悟った様に言うけど。

【市民】2人と【奴隷】2人を勝ち抜けさせればいいだけ。

そんな事は、簡単、王から『ほどこし』をもらって『祈祷』すれば良い。

この2ターン目に『ほどこし』、3ターン目に『祈祷』。

4ターン目に『ほどこし』、5ターン目に、また『祈祷』

それで、だから。うん。

よし、説明しよう。みんなに。

すると思いもしないことが起きた。

島尾が、ポツポツと喋りだしたのだ。

「武藤、といったな。すまなかった。お前を『呪詛』で【奴隷】にしようとした事を、謝らせてくれ」

そして

今、まさに私が考えていた『5ターン目に全員助かる方法』を周りに涙を流して語った。

私は、心底震えた。

彼が嘘をついているのは、私以外には誰も分からないのだから。

そして、私が、真の【祈祷師】であると名乗り出た。

島尾の思惑通りだと知りながら、私にはそうするしかなかったから。

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