終焉ゲーム

2ターン目 島尾（奴隷）

何が起こった？

俺は、1ターン目、真っ先に投函した。

武藤が【市民】であることは、熱弁を聞くまでもなく、予想できた。

ルールを熟読し、頭を抱えるその姿は【市民】の道のりの険しさを嘆いている様にしか見えなかった。

真っ先に投函することで【偽物の神】という疑惑の種も撒いた。

しかし『コマンドは序列が上のものから発動する』

分かりやす過ぎる武藤は、王が『ほどこし』を与えた事で、【祈祷師】が『呪詛』で奴隷に堕とすより早く、俺が『略奪』しようとした時には既に【祈祷師】になっていたんだ。

他の【市民】【奴隷】もそうだろう。

武藤に『団結』を求めた。『略奪』を試みた。

しかし、結果として。

【王】のコマンド以外が全て不発。

今、同時に2つの問題が起きている。

1つは『団結をしない』と言っていた武藤もまた。

『団結』をしようとしていた事。

王からすれば、結果的に自らも守れた事になる。

武藤の中でどういう心情の変化があったのか分からないが『皆で助かろう』と熱弁した心情が変化したことは明らかだ。

そして、もっと厄介なことは。

、、俺はこんなに人に腹を立てた事があっただろうか。

花田、、、！

何が『自分を冒涜してほしい』だ。その発言は『他の役であれば何のメリットもない。本物の神そのもの』じゃないか。

自己犠牲なら勝手にやれ。

お前のせいで、ほとんどの人間が、俺が【奴隷】だと勘づいたかもしれない。

俺が確実に分かっているのは『武藤が、今、祈祷師であること』だけだ。

略奪が、出来ない。

こうなれば、本当に、花田を神だと仮定して『神殺し』するしかない。

なんとか、他の奴らを説得して。