1ターン目 吉川(市民)
武藤という男の言う事は、私の思考そのものだった。
だから、手を上げて名乗り出た。
けど、そこから先も、私は薄々気付いていた。
「ありえない」
武藤が、大きな身体を捩らせている。
ありえない?
そんなことない。
これは、必然。
武藤の作戦は、理想論。
王や祈祷師からすれば、本物の市民が3人、名乗り出て【団結】しない保証なんてない。
奴隷からすれば、ここで手を上げなければ目星をつけられてしまう。そこから先の保証がないし、『ほどこし』を受けられればテロリストに成れる。
祈祷師からすれば、ここで手を挙げて、王から『ほどこし』を受けられれば儲け物。
2ターン目で自分の勝ち抜けが確定する。
そんな『ほどこし』を求める者が手を挙げる中、王が手を上げなければ、神が手を上げなければ、自分の【役】が知られてしまう。
今は安全でも、その先の保証がない。
結果、全員が自分を【市民】だと、我こそが【市民】だと、、、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます