【2】武藤


冗談じゃない。

どれだけ喚いても、天井の電光掲示板の【第1ターン開始まで2時間】の文字は消えない。

それどころか、俺以外の全員が、一言も発していない。

黒い封筒を破ると、中にはハガキが十枚。

その全てに【市民】と記されていた。


市民だったら、このままだったら。

『死んでしまいます』

ルール説明の用紙に目が行く。


出来るのは『団結』で、王か祈祷師になること。

そうすれば、俺は助かる。

でも、誰が、自分以外の市民か分からない。

奴隷の存在も無視できない。矛先が自分に向けられるか分からない、が、下手に『迫害』も出来ない。誰が奴隷か分からないのだから、自分が奴隷になるリスクがある。

、、奴隷になったら、もう、終わりだ。

いつ『迫害』で敗退になるか分からない上に、市民になれる可能性も薄い。

早く『団結』するんだ。

俺以外の7人の中に、市民はあと2人いるんだから。

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