第5話 妖精との勝負②
「さぁ、じゃんじゃん攻めなさい!そして私のもとにナナクレナを連れてくるのよ!」
陽気な声ではあるが、その妖精の少女は1000年以上の時を生きている。その心身が誕生から終始変わっていないので生まれたての幼女のように感じてしまうが、れっきとした大人だ。
妖精の少女はこの森の管理をしており、強弱関係なく全ての魔物を支配している。
歯向かおうとする者は誰一人としていない。それは、決して妖精の少女が強いからではない、この
創られた当初は、悪道に走った魔物を管理する為の魔石だったが、あることがきっかけで妖精の王が失踪すると、この
それからは、このように支配の為だけに悪用されているのだ。
今現在、この森に現れた
しばらくすると、魔物達から人間の幼女を見失ったと連絡が来る。
「……見失った?そんなはずないじゃない!どれだけの魔物が一斉捜索していると思っているの!」
そう言って怒る妖精自身、開始早々にナナクレナを見失っていた。確かに
ナナクレナは、上からは死角で見ることのできない木の下のルートを通るようになった。
ナナクレナが死角ルートを通る前は、私が
「しょうがないわねぇ……」
らちが明かないので、妖精は一度下降して散らばった魔物達を収集しようとした。だがその時、馬の鳴き声が森中に響き渡った。
そして、馬車が一台猛スピードで道なき道を直進してきたのだ。
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