第5話 サン

 セブンがバリエルの起こした事件を聞きつけ、ガイアに着いたとき、事態は悪化していた。暗黒物質に誘き寄せられるように大量の怪獣が集まっていた。

「一体どこからこれだけの怪獣が…」

セブンは絶望した。その時、一筋の雷が大量の怪獣を劈くように轟いた。暗黒物質に集まった怪獣が一挙に数を減らした。しかし、瞬く間にどこからともなく大量の怪獣が集まった。

「きりがない…」

絶望するセブンの元にガイアの方から一人のガイア人が飛んで来た。

「アグル、どうなっているんだ?」

「今は説明している暇がない。女神が何とか抑えている間に、あの闇を時空の彼方に葬るぞ」

「時空の彼方?どうやって?」

「あそこを見ろ。時空の歪みが発生している。あの中へ捨てる」

「いいのか?あの中にも無数の星や無数の命が存在している可能性がある」

「その事だが、女神の弟が共に入り、向こうを統治する」

「そんな…犠牲にするようなものだ」

暗黒物質を時空の歪みの方へ押す戦士たちにアグルが加わった。

「セブンも手伝ってくれ!」

仕方なくセブンも加わり、暗黒物質が時空の歪みの目の前まで来た。その時、時空の歪みに怪獣たちが吸い込まれ始めた。そこに現れた女神の弟が言った。

「向こう側は重力が強いらしい。あとは私に任せるのだ」

女神の弟は暗黒物質と共に時空の歪みに吸い込まれた。戦士たちが見届ける中、時空の歪みは閉じた。

「行ってしまった…」

その時、ガイア人同士が使えるテレパシーによって、戦士たちはバリエルが時空の歪みに逃げたことを知った。

「アグル、私たちが追おう」

そう言ったセブンの前に、一つの星ほどの大きさの怪獣が現れた。

「これは…怪獣なのか?」

「人工太陽の光で拡張した私たちが丸飲みにされそうだ」

その怪獣が時空の歪みが起きそうな雄叫びを上げた。直後、怪獣は口や背中に生えた翼から光線を放った。セブンは咄嗟にテレパシーを送った。

「レイ、聞こえるか。私の代わりにバリエルを追え」

数秒後、返事が届いた。

「分かりました、父さん」

「頼んだぞ。私の息子、レイ」

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