第4話 プライド

 ガイアの戦士には掟があった。それは、戦士は決して誇りを捨ててはいけない、というものだった。誇り、が何を意味するのかについては教えられることはなかった。バリエルはその意味を何となく分かっていた。それでも、彼は自分自身の誇りを捨てることができなかった。人工太陽は“シンボル”と呼ばれる巨大なものと、容器に入った幾つかの小さいものがあった。それらは、ガイアの要であり、狙われることに備えて、厳重に管理されていた。門番を務める戦士の前にフードを被ったガイア人が現れた。

「何者だ。ここは立ち入り禁止区域だぞ」

そのガイア人はフードを脱ぎ、門番の顔を覆い、立ち入り禁止区域に侵入した。ガイア中に非常事態を知らせる音が鳴り響いた。音を聞き、戦士たちが駆け付けた。立ち入り禁止区域内は、何重にも光線で出来たバリアが張られていた。そのバリアは触れるだけで激痛が走るように設定されていた。バリエルはその中を無我夢中で進んだ。人工太陽が入った容器がある部屋に着いたとき、バリエルの身体は限界に達していた。

「バリア、設定解除」

戦士たちが部屋に入り、バリエルを押さえつけたとき、すでに人工太陽の入った容器は失われていた。

「貴様、容器をどこに隠した!」

「ここだ!」

バリエルは口の中に隠していた容器を噛み砕いた。

「貴様、戦士の誇りを捨てたのか!」

(これで俺は強くなる!)

バリエルは言葉を話すことはできなかった。突如、バリエルの身体から凄まじい光が溢れ出した。

(ああ、あああ…!!)

バリエルの身体にとってその光は耐えられるものではなかった。その光は、バリエルの人体を通すことで、暗黒物質へと姿を変えた。その暗黒物質は、戦士たちを飲み込んでいった。

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