第4話 プライド
ガイアの戦士には掟があった。それは、戦士は決して誇りを捨ててはいけない、というものだった。誇り、が何を意味するのかについては教えられることはなかった。バリエルはその意味を何となく分かっていた。それでも、彼は自分自身の誇りを捨てることができなかった。人工太陽は“シンボル”と呼ばれる巨大なものと、容器に入った幾つかの小さいものがあった。それらは、ガイアの要であり、狙われることに備えて、厳重に管理されていた。門番を務める戦士の前にフードを被ったガイア人が現れた。
「何者だ。ここは立ち入り禁止区域だぞ」
そのガイア人はフードを脱ぎ、門番の顔を覆い、立ち入り禁止区域に侵入した。ガイア中に非常事態を知らせる音が鳴り響いた。音を聞き、戦士たちが駆け付けた。立ち入り禁止区域内は、何重にも光線で出来たバリアが張られていた。そのバリアは触れるだけで激痛が走るように設定されていた。バリエルはその中を無我夢中で進んだ。人工太陽が入った容器がある部屋に着いたとき、バリエルの身体は限界に達していた。
「バリア、設定解除」
戦士たちが部屋に入り、バリエルを押さえつけたとき、すでに人工太陽の入った容器は失われていた。
「貴様、容器をどこに隠した!」
「ここだ!」
バリエルは口の中に隠していた容器を噛み砕いた。
「貴様、戦士の誇りを捨てたのか!」
(これで俺は強くなる!)
バリエルは言葉を話すことはできなかった。突如、バリエルの身体から凄まじい光が溢れ出した。
(ああ、あああ…!!)
バリエルの身体にとってその光は耐えられるものではなかった。その光は、バリエルの人体を通すことで、暗黒物質へと姿を変えた。その暗黒物質は、戦士たちを飲み込んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます