第63話 Maya &Momo, Together At Heart (2)

 ある程度のまとまった小金ができたマヤは、それを資本に日本で活動しようとした。まずは動画サイトやSNSで自分のプロフィールやダンスを紹介してインフルエンサーとなり、日本人のファンを多数獲得していったのじゃ。


 そしてそれを元手に、東京の路上やクラブで注目を浴びるようになった。ある夜、マヤはクラブで得意のダンスを披露しているところをスカウトされた。男はとある芸能事務所に勤めるスカウトマンじゃった。


 マヤの引き締まっているが凹凸のある身体的魅力に着目した男は、グラビアアイドルとしてデビューすることを提案した。マヤも自身の武器を周知していたのですぐに同意した。


 そして、ハンカチの如き小さな水着を着て海岸を走り回ったり、妖しげな薄い下着を身に付け、ベッドに寝転がったりするようなイメージビデオでデビューした。すると、たちまちのうちに通販サイトや動画サイトで絶大な人気を博するようになった。


 男性誌のグラビアを席巻し、テレビやネットのバラエティー番組で思わせぶりであけすけなセリフを吐いて、熱烈なファンを増やしていた。マヤにとっては絶頂期よ。


 マヤがわしに語ったことがある。


 「今晩も一斉に哀れな男どもが、あたしの動画やきわどい写真集を見て、たまらずズボンを下ろし、あたしをオカズにしながら股間を必死に慰めて喘いでいるところを想像するだけでスカッとするわ。これは私の男に対するリベンジなの。」 とな。


 事務所の社長も、最初はマヤを主力に売り出そうとしていたのじゃが、アイドルの業界は競争が厳しいのじゃ。ちょうどもうひとり、スタイルが抜群でトーク力もある女性アイドルが同じ事務所からデビューしていった。マヤにとって強力なライバルが誕生したのじゃ。


 最初は仲良くふたりで仕事を分け合っていたのじゃが、このライバルのアイドルが次第にマヤを鬱陶しいと感じるようになった。その上あろうことか、社長はこの女と体の関係を持つようになったのじゃ。週刊誌に暴露されながらも、この女はそれを巧妙に逆手にとり、マヤの人気を食っていった。


 そしてある年の暮れ、社長は事務所のパーティーを開き、危険な男をマヤに紹介したのじゃ。そいつは半グレグループのリーダーで、頭が切れ、外車の並行輸入で儲けておった。しかも外車だけでなく、ネットで違法薬物を輸入して暴利を貪っておったのよ。


 トライアスロンやボディービルで鍛えられた体、そして女には妙に優しい性格のその男にマヤは堕ちていった。都内の一等地にあるタワマンの最上階の部屋で、カーテンを開け放して、毎夜男の体を貪り快楽に酔っていった。男も次第にエスカレートして、違法輸入した合成麻薬を服用し、マヤにも服用させて危ないセックスにふけり続けたのじゃ。


つづく。



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