第35話  魔女テロ(2) DARK ARTS


「おのれ、マヤ、このケダモノ。消えなさい。」

「あーら、美香ちゃん、いつもかーわいいこと。そんなに可愛いのに、オトコのカラダも知らないなんて、なんて宝のもち腐れなんでしょう。前世でもずっと処女だったんでしょ。おかわいそうに。」

「黙れ、この悪魔、藤崎マヤ、この世にいることすらけがらわしい不倶戴天の敵。」


「あはは、消せるものなら消してみろ、この役立たずの世間知らず。ここの電磁波の元になっているGPSシステムは私の魔術で混乱しているんだ。どんなことをしたって消せないよ。


 あーら、高木さん、あなたもまだここでこんな仕事なさっているなんて、おかわいそうに、いいものをご覧に入れましょうか。楽しんでいってね。」


 マヤは机の上で後ろを向くとその短いパレオを手でめくり上げた。黒いTバックのショーツがあらわになり、尻と脚が画面に大写しになった。


 「消え失せろ、何様のつもりだ。」と高木が叫んだ。


 「今日はね、私の新しい計画をここに発表に来たのよ。実は私が今支配している神社の隣にもう一つお山があって古い神社があるでしょ。あそこも私と和泉守様で奪い取ろうと思っているわけ。


 あそこって豊穣神。御神体はオトコのアソコそっくりの大きな岩でしょ。神様は若くてピチピチした男なんで、ついでに食べちゃおと思ってさ、あはははははは。」


 私はスクリーンの前に出て彼女と向かい合った。


 「新しい神様候補の方ね。いい男じゃない。ねー、あたしとイイことしない?気持ちいいわよ。天国に連れて行ってあげるわ。何回もね。あはははは。」


 私は臍下丹田に力を入れた。そして両手をつき出して、指の先十本に力を入れ


「やーあーっ。」


と気合を入れた。両手先からまるで稲光のような閃光が発射され、スクリーンに当たり、焼ききった。スクリーンは燃えながら激しい音を立てて床に落ちた。炎が広がった。防火警報が鳴り、一斉にシャワーのような水が部屋いっぱいに叩きつけた。


 ずぶ濡れになりながら、私はぼう然と立ち尽くしていた。所長が思わず叫んでいた。


「勝った、魔女に、藤崎マヤに勝った!」

高木が私に近づいてきて言った。

「もうあなたは立派な神様です。このセンターを、いやこの世を救ってください。」


つづく









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