四日目(火)

橋を上ると、彼女が待っていてくれているのを見つけた。


「おはよう。待っててくれたの?それならもう少し早く来ればよかった。」

「全然!私が話したかったから待ってただけだから。」

と彼女は嬉しそうにニコッと笑った。


「歳はいくつなの?」

あまり考えずに話のネタを出せるようになってきた。

「え、私?まだぴちぴちの15歳だよ。君は何歳?」

「僕は17歳だよ。何となく同じ学年かと思ってたけど、年下だったんだね。」

「いや、学年は一緒だと思うよ。今、高校二年生でしょ?」

「そうだけど...え、学年は一緒なんだね。」

何か事情があったのかな、と納得しようとしたが疑問が残った。


それにしても、お互いいつの間にか敬語を使わずにしゃべれているのが僕はとても嬉しかった。

話が盛り上がっている最中、急に返事が消えた。

そう思っていたら、僕はいつの間にか橋を下りていた。


やはり、おかしい。

何の脈絡もなく毎回橋を下り始めると、彼女はいなくなってしまう。

さすがに彼女は普通ではないのだろうと思った。

彼女は何者なのか、答えの出ない問いを考えながら学校へと向かった。

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