四日目(火)
橋を上ると、彼女が待っていてくれているのを見つけた。
「おはよう。待っててくれたの?それならもう少し早く来ればよかった。」
「全然!私が話したかったから待ってただけだから。」
と彼女は嬉しそうにニコッと笑った。
「歳はいくつなの?」
あまり考えずに話のネタを出せるようになってきた。
「え、私?まだぴちぴちの15歳だよ。君は何歳?」
「僕は17歳だよ。何となく同じ学年かと思ってたけど、年下だったんだね。」
「いや、学年は一緒だと思うよ。今、高校二年生でしょ?」
「そうだけど...え、学年は一緒なんだね。」
何か事情があったのかな、と納得しようとしたが疑問が残った。
それにしても、お互いいつの間にか敬語を使わずにしゃべれているのが僕はとても嬉しかった。
話が盛り上がっている最中、急に返事が消えた。
そう思っていたら、僕はいつの間にか橋を下りていた。
やはり、おかしい。
何の脈絡もなく毎回橋を下り始めると、彼女はいなくなってしまう。
さすがに彼女は普通ではないのだろうと思った。
彼女は何者なのか、答えの出ない問いを考えながら学校へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます