三日目(月)
土日が終わり、また今日から一週間が始まることを知らせる月曜日は嫌いだった。
けれど、今日は違った。
二日も空いてしまって会えるかは分からないのに、彼女と会うことだけを楽しみに橋を上っていった。
橋の上に着くと、前の方に彼女が見えた。
一瞬にして心拍数が上がった。
「おはよう。」
と後ろから声をかけた。
「あ!おはよ!」
僕はこの前の反省を生かし、話のネタをしっかりと考えてきた。
「土日は何してた?」
「えっとねー、この辺をぷかぷかしてた。」
と彼女はニコッと笑った。
ぷかぷか?と思ったが、僕に気にする余裕はなかった。
「じゃあ、家もこの辺なの?」
「うん、そうだよ。君もこの辺?」
「いや、僕は少し遠いかな。」
確実にこの前よりも話が弾んでいた。
話のネタをしっかりと考えてきて良かった、と喜びをかみしめていると橋が終わろうとしていた。
「ねぇ、名前はなんていうの?」
この質問は今日絶対に聞こうと心に決めていた。
「...名前は秘密かな。」
なぜだろう、と一瞬考えたが何か言えない理由があるのかなと納得した。
もちろん橋を下りると、彼女は見えなくなってしまった。
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