第31話.終結
革命軍との決着はあっけないほど簡単に終わった。カルマが勝負に敗れたと聞いた革命軍たちはあっさりとリュート達の条件を聞き入れたのだ。もちろん、リュート達も革命軍をただ押さえつけるわけではなく。革命軍として少しでも有利な条件が付けられるよういろいろ働きかけた
「して、革命軍を解散させるわけではなく、軍の1部として運用しようということなのだな?」
「はい、革命軍はすでに統率も取れ、軍としても解散させるには惜しいほどの戦力を持っています。それであればいっそ軍に組み込んでその組織力を国の平和のために生かしてもらえばと思いまして…」
「ふむ…よし、わかった。リュート、キミの意見を聞き入れて、革命軍を王宮騎士団遠征部として運用していこう」
「はっありがとうございます。国王」
こうして革命軍は王宮騎士団に組み込まれ、王宮騎士団遠征部としてハトム村に在住することとなった。ハトム村はこの国の最果てにあるため王宮騎士団からしても賄えないところをカバーしてくれる部隊として期待のできる部隊である。
「それはそうとして…おぉ…かわいいの我が孫は…」
そう言いながら、ロザリアに抱きかかえられる赤ちゃんをあやすネメシス。革命軍との争いが終結した数カ月後、エリザは待望の第1子を産んだのだ。そのことによりリュートはエリザと結婚し、次期国王として迎えられている。リュートが王宮に引っ越すことをきにストーンとロザリアも一緒についてきたのである。
「はいはい、ヒゲモジャで怖いじいちゃんだね~。あんたはこんな子になるんじゃないよぉ~」
「ちょっとロザリア姉さん、それは言い過ぎだよ…」
リュートの子供が生まれてからは孫にベったりのロザリアがそう言いながら笑う。
「ほらほら、ライザ…バァバだよ?バァバって言ってごらん?」
最近ロザリアはそればかり言っている。朝から晩までライザを抱きバァバ、バァバと、どうやらエリザとどっちの名前を最初に言うか競いあっているらしい。
「あらやだわ、お母様。一番最初に言うのはママよね、ライザ?」
「いや、ここは譲れないね。ほら、バァバって言ってごらん。ライザ?」
「なぁ?かぁさん、ちょっと思ったんだが、それだと俺の事を呼んでも母さんのことを呼んだことにならないか?」
「んっ?どういうことだい?」
「だってさ、パパとバァバって似てないか?」
「う~ん、確かにそうだね?まぁでもあんたの名前を一番最初に呼ぶ事はないから大丈夫さ」
「ちょっと待ってくれ、かぁさん。そんな言い方なくないか?エリザも黙ってないでかぁさんに言ってくれよ」
「う~ん…そうですわね…まぁでもあなたの事はどうでもいいわ」
「ねぇ~」
そう言いながら2人で顔を見合わせ、笑い合うロザリアとエリザ
「そんな…」
「ハハッリュート君諦めたまえ、どうやら君の番は一番最後のようだね。」
「ほら、ライザ。ジィジだよ?…」
「ちょっと待て、ライザーがジィジと言ったらお前のことではなく私のことだ」
「ちょっ、ちょっと待ってよ、兄さん…」
今まで黙っていたストーンだが、ネメシスの発言には納得いかなかったらしく、急に発言をし始める
「何が?おかしいことがある?お前は弟で、私は兄だ。順番からいって、最初に呼ばれるのは私のはずだ」
「でも、兄さん、俺国王だよ…」
「孫のことに国なと関係ない!お前は兄の言うことを聞いていればいいのだ!!」
「ねぇ~」
先程まではエリザとロザリアだけだったが、それにストーン迄加わり始めた。あの寡黙だったストーンをここまで狂わせるとは初孫の存在とは恐ろしいものである。こうして初孫競争に敗れたリュートとネメシスであった
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