第31話 リーファ対女将軍(中編)
---主人公視点---
とりあえずネイラールの
ここはランディに分析してもらうわ。
「――ランディ! あの女の
「了解。 ――
するとランディの両眼が眩く光り、その身体も発光したように輝きだした。
だがネイラールも同様に守護聖獣に分析を命じた。
「――ブラックス、
「了解だコンッ、――
これでお互いに相手の
かえってその方が戦いやすくなりそうだわ。
この女もかなり強そうだけど、
多分私の方が
「……リーファ殿。 この女かなり強いぞ。 能力値も魔力もかなり高い。
だが総合力では君の方が上だ。 だからさっさと始末して、残りの敵を叩こう!」
そして私とランディの意識が共有化されて、
ネイラールの
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名前:ビアンカ・ネイラール
種族:ダークエルフ♀
職業:魔剣士 レベル46
力 :1164/10000
耐久力 :1590/10000
器用さ :773/10000
敏捷 :1294/10000
知力 :1171/10000
魔力 :2481/10000
攻撃魔力:1593/10000
回復魔力:1474/10000
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でも総合的な数値では互角、いや私の方が上回っているわ。
だからここは強気で正面から戦うわ。
「『能力覚醒』っ!!」
私はここで
これで五分間は私の
でも
この五分間で勝負をつけるわ。
「行くわよ! 『ソウル・リンク』ッ!!」
「了解だ、リンク・スタートォッ!!」
そして私とランディの魔力が混ざり合い、
私の
するとネイラールも同様に『ソウル・リンク』を発動させた。
「ブラックス、行くわよ! 『ソウル・リンク』ッ!!」
「了解だコン、リンク・スタートォッ!!」
これによってネイラールと漆黒の狐の魔力が混ざり合う。
そして私同様にネイラールの
「っ!?」
凄い
まるで鋭い刃のような刺々しい
流石は帝国の女将軍、一筋縄では行きそうにないわね。
「これでお互いに強化されたわね。
後は己の力と技能がモノを言うわ。
でも私は負けるつもりはない、ダークエルフの力を思い知るがいい!」
手にした大剣の柄を両手で握り締め、構えるネイラール。
私も同様に左手で盾を持ちながら、右手で
黒光りする大剣を手にしながら、ネイラールが摺り足で間合いを詰める。
「行くぞぉっ!!」
次の瞬間、一気に距離を零にして斬りかかるネイラール。
それに対して私は聖剣で薙ぎ払いを繰り出す。
聖剣と大剣が、火花を散らし、硬質な金属音が周囲に響き渡る。
「っ!?」
お、重い。
何という重い一撃なの!?
こんな重い斬撃は初めてだわ。
私はそう思いながら、眉間に皺を寄せた。
だが視線を前に向けると、ネイラールも驚いた表情をしていた。
……どうやら向こうも私の力に驚いているようね。
ならばここは攻めるわ!
「『トリプル・ドライバー』!」
私は猛然と地を蹴り、全身全霊の力を持って、怒濤の三連撃を放った。
だがネイラールも冷静に剣を捌く。
私の強引な攻めに歯軋りしながらも、
繰り出した剣戟を必死に払い、受け流し、受け止めて弾き返す。
やはりこの女は強い。
でも勝てない相手じゃないわ。
「ハアアアァァァッ! まだよっ!
まだまだこんなもんじゃないわっ!! ――ダブル・ストライク」
「――甘い。 プル・クラッシュゥッ!!」
私は再び連撃を放った。
だがネイラールも漆黒の大剣で斬り返す。
鋭く速い斬撃が眼前を通過し、一度防げば次には二度の剣閃が迫りくる。
正面で向き合いながら、私は
側面へ、死角へと回り込み怒涛の
激しく打ち合う聖剣と黒刃の大剣。
この女ダークエルフの剣技は、少なく見ても英雄級以上の腕前だわ。
だがこちらは女神から授かった聖剣と盾があるのよ。
故に互角な攻防に見えて若干こちらが有利だ。
だからここは引かないわ、攻めるわ!
「――ハアアアァッッ!!」
「甘いわっ!!」
私達は真っ向から衝突して、力と速度の戦いを継続させる。
私とネイラールは幾度となく互いの位置を入れ替えた。
私は再び前進して、くるりと体を捻り、袈裟斬り、逆袈裟と神速の速さで剣技を放つ。
薙ぎ払われた漆黒の刃で弾かれたが、
防御した勢いで後方にやや吹っ飛ぶネイラール。
それと同時に大剣を地面に突いて転倒を防ぎ、踏みとどまり、即座に体勢を立て直した。良い動きしてるわ、敵ながら見事だわ。
しかし流れはこちらにある。
だからここは更に攻め続けるわ!
「トリプル・ドライバーッ!!」
「くっ……!?」
再度、繰り出される三連撃。
その猛攻の前にネイラールも苦悶の表情を浮かべる。
私はそこから更に連撃を放ち続けた。
次第に私の聖剣がネイラールの漆黒の鎧を鋭利に切り刻んでいく。
肌を掠め、強引に振り抜かれる聖剣に対して、
ネイラールは咆哮とともに足元に大剣を振り下ろした。
凄まじい威力の一撃に地面が大きく抉れ、土煙が生じる。
私は咄嗟に後ろにジャンプするが、ネイラールもまた全力の跳躍で後方に下がった。
「我は汝、汝は我! 聖なる大地ハイルローガンよ。
我に力を与えたまえ! 食らえっ!! 『シャドウ・インパクト』」
「リーファ殿、この魔法はかなり強力だ。
これは回避出来ない、だからその盾であの漆黒の波動を吸収するんだっ!」
「――分かったわ、ふんっ!!」
ランディに言われて、私は左手に持った「幻魔の盾」を前へ突き出した。
そして私は眉間に力を篭めて、「幻魔の盾」に魔力を流した。
すると「幻魔の盾」が目映く光り、眼前の漆黒の波動を綺麗に呑み込んだ。
「なっ……吸収能力があるのっ!?」
ネイラールが驚くのも無理はない。
何故なら私自身も驚いていたからだ。
この盾、流石は女神サーラの
でもこのアドバンテージを生かさない手はない。
そして私は「幻魔の盾」を左手で構えながら、
右手で「
――ここから連続攻撃で一気に決めるっ!!
私はそう胸に刻み込み、地を蹴ってネイラールに迫った。
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