第21話 2015年 雪山

【2015年8月 ラトナ・アンゴドの視点】


「もうやってられません!」

「まっ」


 スタジオの扉を乱暴に開けて飛び出してきた小娘は、こちらを見もせず走り出してきました。危うくぶつかるところでしたが、謝罪の一つもありませんね。雇用主に似たのでしょう。


「お邪魔します。今さっき、そこであなたの従業員にぶつかられそうになったのですが?」

「……もう従業員じゃない」


 暗いスタジオの中、床に座り込んでいたエジプト男が、そんなぬるいことを言って倒れ込みます。おやおや、だいぶこたえているようですね。日本かぶれして剃っているヒゲがだいぶ濃くなっていて、まるで石油王ですよ。


「アイツはこの仕事を辞めるのだそうだ。まったく、忍耐力のない」

「先の見えないプロジェクトに拘束されていれば不安にもなるでしょう。あなたのミスですね」

「何をしに来た」

「出資者が様子を見にくることぐらい普通でしょう?」

「キサマに限っては普通ではないな。……ラトナ。直接会うのは何年ぶりだ?」


 このエジプト男――カリームがゲーム会社を作ったときに会ったきりですから、数年ぶりですね。しかしそれを言うと年齢が気になって仕方ないからやめておきましょう。


「新会社の様子を見にきたのですよ。わざわざ別会社を建ててまでやる仕事と聞きましてね。ガブガブゲームスのように、いい投資先になるかと思って」


 大学卒業後、カリームはゲーム会社を作りましたが、わたくしはといえば働いていません。いえ企業に勤めて働いていないということです。個人投資家としてまあまあうまくやっています。

 それもこれも学生時代に、やたら未来のことに敏い同級生がいてくれたおかげですね。彼女からこぼれ落ちた情報でいくら稼がせてもらったことか。


「しかし、この程度が会社を分けて行う事業ですか?」

「……アイドルのプロデュースは、ゲーム作りとはまるで違うだろう。だから銀行から、別会社にしてリスク分散をしろと言われた」

「アイドル、ですか」

「正確にはバーチャルアイドルだ。キャラクターの3Dモデルを動かして収録する。今までにないタイプのアイドルだ。これはブームが来る。間違いない」


 高校生の頃にオタク教育を受けたカリームは、その伝道師にセンスを認められるほどのオタクになりましたから、目のつけどころは悪くないのでしょう。


「間違いない――と思ったのだがな。まるで人気が出ない」


 カリームのプロデュースしたバーチャルアイドルは、これもまたカリームが作り出した特殊な動画配信プラットフォーム『シンデレラステージ』で生放送を行うアイドルです。しかし集客が全然できていないですし、あの小娘に魅力があったとも思えませんね。


「おかげで、赤字だ。設備投資、家賃、開発費、人件費……親会社に補填させてなお足りない。両方合わせて共倒れだ。……それを知って来たんだろう?」

「理由の半分は、そうですね」


 カリームはこの事業に入れ込みすぎていました。おかげでゲーム会社の少なくない儲けも切り崩すことになり、結局損失がでています。リスク回避のための分社化とは何だったのでしょうね?


「残り半分の理由は……そろそろ効果が出始めるのでは?」

「効果……?」

「社長!」


 スタジオの扉が乱暴に開けられます。この会社には扉を乱暴に開ける決まりでもあるのですか?


「なんだ。銀行か?」

「違います、『The 雪山』が!」


 The 雪山。カリームの会社で作られ、昨日リリースされたばかりの新作ゲームです。雪山を登るだけのゲームで、ライターからの事前評価は「地味」「長い」とズタボロでしたね。


「なんだ? クラッシュでも出てストアからリジェクトされたか?」

「違いますよ! その逆です! 『The 雪山』が――ものすごい勢いで売れているんです!」

「何だと!?」


 あらあら、驚いていますね。まあライターの評価は散々でしたし、自分たちでもニッチな題材だと考えていたのか、売上の見込みも少なくなっていましたしね。それでもバーチャルアイドルがなければ黒字はキープしていたでしょうが、赤字になってしまって、予定の売上程度ではどうにもならないとでも絶望していたのでしょうね。


「これは……セールスランキング入り、いや一位だと? どういうことだ。確かに他に有力なリリースはなかったが……」


 その結果を予想していたから来たのですよ。


「彩羽根トーカちゃんですよ! 彼女が実況動画をあげてくれたんです、そこからすごい伸びてます!」

「トーカ……なんと。これで彼女に救われるのは二度目か」


 カリームの会社、ガブガブゲームスは今日より以前にも解散のピンチを迎えていたことがあります。


 携帯向けの簡単なゲームしかリリースしていなかったガブガブゲームスが、初めてPCプラットフォームでの本格的な3Dゲームに挑んだ『The 倉庫スタッフ』。よくある中身の薄いインディーゲームを装って、ストーリーモードに入ると重厚なミステリーが始まるという二重構造。これは――当たりませんでした。知名度もない会社の初めての作品に、口コミ効果など期待できませんから。


 ところがそれを覆したのが彩羽根トーカという自称バーチャルYouTuberです。彼女がゲームの動画投稿をし、それが海外でウケた結果、『The 倉庫スタッフ』の売上は急増。赤字に陥りかけたガブガブゲームスを救ったというわけです。


 まあその成功体験から勘違いしたこのエジプト男が、自社ゲームを中心に実況するバーチャルアイドルを作ろうとし、既存プラットフォームに収益を吸われるのを嫌がって動画配信サイトまで作ったのが今回の失敗ですが。


「しかもこれ、すごいんですよ! ちょっと見てください!」


 スタッフが動画を再生します。


『こんにちは、人類。彩羽根トーカです。寒いですね……気がついたらここにいたんですけど、ここはテントの中? 外はいったいどうなっているんでしょう? ――うわー! 雪景色だ!』


 動画の中で、テントの中から出た彩羽根トーカが、雪山を見て歓声を上げます。


「なんだこれは!?」

「? そんなに驚くことですか? 普通のゲーム実況でしょう」

「普通ではない。――ゲームの中にトーカがいるのはおかしいだろう?」

「……はい? そういうゲームではないのですか?」

「馬鹿を言うな。プレイヤーキャラクターがトーカのわけがないだろう。雪山に挑む精悍な男が主人公のゲームだぞ。それがトーカに差し替わっている」


 ……?


「Modには対応しているが、初日から……?」

「機能は解放していますから、不可能ではないです。ただ、ドキュメントは後日公開としていたので……」

「わずかなサンプルを解析して一日で自分のモデルをゲームにインポートしたのか? トーカの運営チームは化物か」

「社長、しかもこの登山ウェアのトーカちゃんは新衣装ですよ!」

「ぐうッ――オレのゲームに合わせてここまでの仕込みを……敵に塩を送られたか……」


 よくわかりませんが、彩羽根トーカがエジプト男を屈服させたようですね。


「……売上が確定するまでは油断できんが……今回ばかりは便乗させてもらおう。とりあえずTwitterで動画を紹介して拡散しておけ。トーカがゲーム内に出ているのはModだと注意喚起するのは忘れるな。公式と思われても困る」

「トーカちゃんも気を使って、常に画面内に注意書きを入れてくれてますけどね。わかりました!」


 スタッフはバタバタと出ていきます。品のないことです。


「どうやら、本業は救われたようですね」

「……そうなるな。トーカに報酬を払ってもいいぐらいだ」

「彼女をプロモーションに使うことは考えなかったのですか?」

「考えたが、2つの理由で却下だ」


 カリームは指を2本立てます。


「ひとつ。オレは彼女の動画をすべて見ているが――やはり案件系の動画は伸びていない。オタクは露骨な金の匂いが嫌いだからな。自社でバーチャルアイドルを始める際も、本社からは切り離したのはこれが理由でもある」

「そのあたりの機微はよくわかりませんが……もうひとつは?」

「トーカは我が社のゲームが大好きなオタクなのだ。そんなヤツにPR動画を撮らせるなんて粋じゃないだろう」


 そういうものでしょうか。


「だから、自社のバーチャルアイドルで勝負しようとしたのだ。その結果がこれだが……」

「起用を避ける理由がいまいち……もしかして、彩羽根トーカが嫌いなのですか?」

「まさか。大ファンだ。なぜかあの声を聞くと落ち着くのだ」

……?」


 ……まさか、この男。


「……彼女の正体をご存知ないのですか?」

「声優の話か? 知らんな。彩羽根トーカとはさまざまな道のプロフェッショナルが集まった巨大プロジェクトだろうが、全く噂を聞かない。オレのダメ絶対音感にも引っかからないし、謎だらけだ」


 この男……いえ、まあ、口調は違いますし、あんな優しい言葉をかけてもらったことはないでしょうから、気づかないのも当然でしょうか? もう何年も本人と会っていませんしね。


 まあその本人の詳細な動向を、私も数年掴めていませんが。おそらく田舎に家を建てて住み始めたはずなのですが、静かに近づくには田舎特有の監視網があって難しいのです。感知されたら逃げられかねませんし。コンビニで迷惑客に疲弊しているというゾクゾクするような情報はありましたが、わたくしが直接見に行けばバレてしまいますし、ああもどかしい。それにいったい、どうやってあの田舎からこんな仕事をしているのでしょうね?


「なんだ? トーカと組んで動画を出したから正体を知ってるだろうと思って聞きに来たのか? 生憎だな、聞いての通りトーカとオレは無関係だ。もっとも知っていたとしても、トーカはトーカだ。演者をどうこうするなどという無粋なことはオタクとしてやるわけがないだろう」

「……そうですか」


 まあ気づいていないならそれでもいいでしょう。


「話を戻しますが、わたくしがここへ来た目的はひとつ……出資のためです」

「ガブガブゲームスに増資するのか?」

「いえ。この売れないアイドルの会社に投資します」


 カリームは目を丸くします。そういう素直な反応は愉快ですね。


「……演者にも逃げられたし、プラットフォームに集客もできていない。これ以上続けるには周囲が納得しないだろう。だから清算しようと思っていたところだが……?」

「だからこそですよ」


 彼女に接点が持てるかもしれない道具を、わざわざ捨てるのはもったいないでしょう。


「わたくしがお金を出します。この事業を続けてください」


 金額を告げると、カリームは卑屈に笑いました。


「それではキサマが筆頭株主になるな」

「構いませんよね?」

「……いいだろう」


 カリームはようやく立ち上がります。やれやれ、やっと目線が合いましたね。


「もちろんタダではお金は出せません。今後どうするつもりですか?」

「いくつか方針転換はする。独自プラットフォームは時期尚早……いや、遅すぎた。しゃくに触るがYouTubeを活動の場に変えよう。……バーチャルアイドル事業ではなく、バーチャルYouTuber事業になるわけだな」

「いいでしょう」


 人の目に触れないと始まりませんからね。


 それからいくつかの改善案を聞き、了承しました。やはり資金繰りに追われて計画の修正にまで気が向かなかったのが失敗の原因の一つでしょうね。余裕があればまともな案が出てくるようです。


「新しい演者を募集して……ああ、そうなると3Dモデルも変える必要があるか」

「もったいなくありませんか?」

「オレの中のオタクが、中身だけ入れ替えるのは神への冒涜だと言っている。前任者の引退ははっきりさせるべきだと」

「よくわかりませんが、そこまで言うなら特に反対の理由もありません」

「問題は演者だ。前のヤツみたいなのはこりごりだ。いくら儲からなくて人気が出なくても、そこはこらえて続けてもらわなければならん。それも、専任でだ」

「専任の声優で芽が出ないのは辛いでしょうね」


 逃げ出した小娘の事情も理解できます。


「そんな条件を飲む声優がいるでしょうか?」

「最悪、ある程度声のいい女なら声優でなくてもいい。収録時間は長くなるから、この仕事に専念してもらうことになる。必要なのは逃げ出さず、強い責任感をもって仕事をする……」

「難しそうですね」


 今どき会社に責任感や忠誠心をもって働く若者はいないでしょう。入って数年してからならともかく、入ってすぐに責任感をもてだなどと。


「……ラトナよ」

「なんですか、なれなれしいですね」


 あくまであなたとわたくしはビジネスの間柄ですよ。


「キサマ、時間は余っているな?」

「……? ええまあ、あくせく働くような生活は性に合いませんから。一人でのんびり生きていますよ」

「この会社に投資するということは、会社を発展させる責任感をもっているな?」

「筆頭株主ともなれば経営方針に関わりますからね、わたくしはそう思いますよ」


 何を当然のことを?


「では決まりだ」


 わたくしが真意をはかりかねていると、エジプト男はいやらしく笑って言うのでした。


「ラトナ、オマエが演者をやれ」



 ◇ ◇ ◇



【ゲーム実況】新作だ、乗り込めー!【The 雪山 #01】


 ※コメントは各国語混じっています。言及している部分に差し込んだだけで、リアルタイムのコメントではありません。


「こんにちは、人類。彩羽根トーカです」


 テントの中で起き上がったトーカが挨拶する。


「寒いですね……気がついたらここにいたんですけど、ここはテントの中? 外はいったいどうなっているんでしょう?」


 トーカがテントを開けて外に出る。カメラが切り替わり、雪山の中のテントを映し出す。


「――うわー! 雪景色だ!」


コメント:トーカちゃんがゲームの中に!?

コメント:新作ゲーム実況だ!嬉しい!


 タイトルロゴが青空に表示され、トーカ……プレイヤーの背後にカメラが戻る。そしてそれとは別にトーカの顔が画面端に表示された。


「はい、改めまして人類! 彩羽根トーカです! 今日は名作、The 倉庫スタッフを作ったガブガブゲームスさんから出た新作! The 雪山の実況プレイ動画です!」


コメント:前評判微妙だったゲームだけど

コメント:記者のレビューは最悪だった

コメント:トーカちゃんの好きそうなやつ

コメント:初っ端からテンション高くて草

コメント:倉庫買ったわ。トーカちゃんの動画なかったら積んでたかも


「このゲームは、精悍な山の男たる主人公が、いろんな雪山を登るという内容だそうですね! シンプルに、山を登る! それだけ!」


コメント:山を登るだけのゲームを何故実況しようと思ったのか

コメントへの返信:そこに山があるからさ

コメントへの返信:誰馬


「ちなみに、これ! 主人公が私になってますけど」


コメント:この新作に合わせて新衣装用意するとかどんだけ楽しみだったんだ

コメント:新衣装じゃん! スノーウェアかわいい!


「これはね、このゲームがMod対応しているので、自分でキャラクター差し替えModを作ってゲームの世界に入っちゃいました! バーチャルならではですね!」


コメント:Mod作成すごい

コメント:これ発売翌日に投稿されてるけど……?

コメント:スタッフさんお疲れ様です


「元の主人公さんはこちらです」


 ワイプ表示される主人公さん。


コメント:トーカちゃんでプレイしたい

コメント:悪くはないけどトーカには負ける


「さあ! 今日はね、初プレイということで! このゲームいきなりいろんな山を選べるんですけど、チュートリアルはね、どの山でも必要なときに出るらしいので、一番ヤバそうな山を選びまーす! デビルマウンテン、君に決めた!」


コメント:ウキウキで高難易度に突っ込んでたところまでは勇ましかったな

コメント:デビルマウンテン「ぴっかー!」

コメント:いつものスーパープレイや効率プレイじゃない……だと……?


「ということで麓から歩いて行きます! 結構マップ広いらしいので景色を見て話しながらいきましょう。ちなみに身体能力の強化とかはないそうで、装備を強化していくタイプらしいですね。いやー、いい景色だなあ! 雪景色! 山あり谷ありで険しそうですが!」


 テロップ:特に何事もなく移動しているので30倍速


 倍速中も明らかにペラペラ喋っているトーカ


コメント:ここ等速で見たい

コメント:誰か何喋ってるのか教えて

コメント:よく歩くだけであんなに喋ってたなあ


「あ、ちょっと道が違うような……うーん? 地図……地図に現在地出ないんですよね。コンパスが……北があっちで、あそこに山があるから……うーんと、ここ、かな?」


 地図に編集で「トーカの思い込んでいる場所」と「実際の場所」が表示される。


コメント:いきなり迷ってて草

コメント:めちゃくちゃズレてる

コメント:山あるあるの場面

コメント:というかミニマップもないし方角も分かんないとか不親切すぎる

コメントへの返信:良く言えば硬派


「じゃああっちだ! 進んでいきまーす」


コメント:そっちじゃないよ……

コメント:遭難の始まり

コメント:彩羽根くん……方向音痴かな?


 しばらく倍速の後。


「あれ? なんか違う……?」


 地図と景色を見比べる様子が倍速で流れる。


「あー、だめだ、分からない! そもそも山頂はどっち……? とりあえず……そうだ、南にいこう。そうしたらいずれにしろこの辺りに出るはずだからー」


コメント:トーカ大混乱

コメント:実際の山でも迷ったらこうなるよ


 倍速、予想に反して険しい場所に出ていくトーカ。


「うっ、足元滑る。あ、チュートリアル出た。なるほど、アイスバーン? あーそういう靴が必要なんだ、今装備してないなあ。うーん、でもここを通っていけば稜線に出れそ、あ」


 ズルッ、とトーカが足を滑らせる。スローモーションで3回ほどループ。


「あああああ!」


 斜面を滑落していくトーカ。急に出てくるチュートリアル。


「え!? 何!? 滑落したときは? ピッケルを突き立てましょう……ピッケル? え、それ初期装備にある? ちょ、あああああ勝手に再開したはやいはやいはやいアイテムはリングメニューあああリアルタイム選択のやーつーー!」


コメント:草

コメント:雪山を舐めたらあかんよ

コメント:チュートリアル「待たない」


「ないないないピッケルどれ? ない! あ、リュックの中? あああああったあった装備してえええ、突き立て、止まんない!?」


 徐々に速度が落ち、なんとか斜面下の平地で止まるトーカ。


「ああ、止まった……ええ……あそこから落ちたのかな……?」


 編集で地図に滑落コースが記される。


コメント:運が良かったな。普通滑落したら即、死ぞ

コメント:滑落したら岩とか木にぶつかって死にますねえ

コメントへの返信:ぶつからなくても氷の上滑るだけで死ぬよ。ちょっとしたデコボコで。


「え……これどうしよう……? リュックもダメージ受けてアイテムこぼれてるし……食料がない……? えっと、ええ……このゲーム、リタイアとかないんですよね。救助されるか自力で人里まで降りないと駄目なんですよ。つまり……遭難……?」


コメント:そうなんですよ

コメント:ここでやっと気づいたのか


「ええー、待って待って。ここからこう落ちてきたからー」


 編集で地図にトーカの思っているコースが大幅にズレて記載される。


「ここにいけば……なんとか下山できそう?」


 平地に行きたいのに峡谷に突っ込むルートを選んでいるトーカ。


コメント:倉庫以来のポンコツトーカ嬉しい

コメント:笑っちゃいけないんだけど全部裏目に出てて草


「奇跡的に身体ダメージはないので……生還目指して頑張ります! 生還するとお金が増えるので!」


コメント:目的の変わった瞬間

コメント:頂上「俺は?」


「あー……滑落中に落としたアイテム転がってないかなー……ないなあ……」


 倍速で移動中、雪が降ってきて視界が狭まってくる。そして。


「え、崖!? なんでえ!?」


 目の前にそびえる崖。


「こんなの地図には……え? 迷ってた? ええ……? い、いや、迂回路があるはず!」


 倍速で周辺探索。


「ありませんでした、迂回路……」


コメント:かわいそかわいい


「こうなったら、戻るか……あとは登るかですが。体力的に戻ってももう……ってかんじなので、登ります! 登ればなんとかなるはず!」


コメント:無計画はいけません

コメント:登っても未来はなかったんだよなあ……


「崖登りのチュートリアルはさっき確認したので。三点支持をキープすればなんとか! 掴むところがない場所も、ハーケンとハンマーは残ってたので、これでいけるはず! 本数的に……」


 後ろに下がって崖を見るトーカ。


「雪が積もってるってことは、あそこは掴める場所があるわけで……あそことあそことあそこに打ち込めば、いける? うん、足りますね!」


コメント:ガバ計算かわいい


「では登ります!」


 順調にほぼ垂直な崖を登っていくトーカだったが……。


「え!? ここ雪が張り付いてただけで掴めないの!? う……」


 崖の半分まできて計画が狂う。


「いや、だ、大丈夫。余裕持って計算したので。ね、人類。いけますよ、いけるいける……え!? ここも!?」


 予想以上にハーケンを使い、そして。


「ハーケンが切れた……」


 あと少しというところでハーケンの残量が尽きる。


コメント:絶望顔いただきました

コメント:助かる


「う……仕方ない、戻ろう……ああ!? あぶっ」


 足を載せたハーケンが抜け落ちる。バランスを取るためのQTEに成功し、なんとか元の足場に戻るが。


「あれこれ……詰んでます?」


 どこにも移動できなくなる。


「……………………しにまスゥ……」


コメント:めっちゃ儚い声

コメント:ゾクゾクした

コメント:しなないで


 崖から身を投げ出しゲームオーバーになるトーカ。


「うぐぐ……ああー悔しい! もう一回! まだやります! 目指せ、山頂!」


コメント:頑張れ!

コメント:応援してます!

コメント:Mod入れ方教えて!

コメント:いつもより面白かった

コメント:これは伸びる

コメント:今回の動画はよかったぞ

コメント:雪山買うわ

コメントへの返信:もう買ったわ。めっちゃ歩くこれ……


(この後懲りずに中級の山に挑んでクレバスに落ちていくトーカ。以下後略)

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