犬の贈り物

第1話

　うちの犬（ジョン）はよく変なものを拾ってくる。

　棒や空き缶、誰かの服のような常識的なものだけでなく、住んでいる場所は海からは遠く離れて山中であるにもかかわらず、イカのような海産物を持ってくることもある。

　前には、虫籠に入ったコオロギを持ってきたこともある。

　私はどこでそれらを取ってくるのかを調べるために、うちの犬を尾行しようと何度も試みたが、獣道や洞穴、そして私には通ることができないほど細い道を通ったため、すべて失敗した。

　結局、am⚪︎zonで買ったペットにつけるカメラでどこにいくのかを調べることにした。

　いつもの通り変なもの（今日はきゅうり2本だった）を持って帰ってきたので、カメラを外して映像を確認した。

　映像には最初、私の顔がアップで写っており、その後にジョンが森の中を歩いていく様子が写っていた。

　獣道、洞穴、狭い道、さらには小川を通り過ぎ、森がひらけた。

　そこはどこかの建物の裏手のように見えたが、すぐにジョンが走り出したようで詳しくは見えなかった。

　ジョンが走るのをやめ、ピントがあった頃にそこがどこかがわかった。

　山の麓の商店街だ。