葬式当日

 やって来ました葬式当日です。実際に体験した方なら分かってくれると思いますが、こういう時の四日間ってめっちゃ長かったです。忘れ物がないように荷物を纏め、午前10時に部屋を出てホールへ移動です。ホールへ移動すると送られてきた花が飾り付けられ、祭壇には父の遺影が飾られています。余談ですが、父はあまり写真を撮りたがらない性格だったので遺影を決めるのがめっちゃ大変でした。主に残っている写真を探す的な意味で。だから、これを読んでいる皆さんは写真をいっぱい撮りましょう。自分が死んだ後、家族に家中ひっくり返させるの嫌でしょう? それを回避させる意味でも自分の写真はいっぱい残しておいてくださいね。

 さて、ホールでまず最初に行ったのは、進行の確認でした。住職と副住職と一緒に読むお経の場所、案内があった後の焼香の手順、お別れの言葉、喪主の挨拶。主にやったのはこの四つでした。お別れの言葉は相談の結果、父の姪が読む事になりました。

 そして、葬式が始まる前に寺の住職から戒名をもらい、その意味の説明を受けました。そして、いよいよ葬式が始まります。

 頑張って読み慣れない文体のお経を読んで、住職に一礼した後に燃える焼香炭におが屑をかける。再び一礼した後に自分の席へ戻っていく。この一連の流れには異様な緊張感がありました。そして、お別れの言葉と喪主の挨拶を経て、葬式は終了です。でも、葬儀自体はこれで終わりではありません。葬式が終わった後、血縁者のみが残り、初七日忌と二七日忌の法要を行いました。父の姉二人が遠方から来ていたので、本当の初七日忌と二七日忌に来れるか分からなかったから、今やってしまおうという訳でその運びとなりました。

 法要を終えて、解散する時も大変でした。最近はコロナ禍の影響で葬式を終えた後は会食ではなく、折り詰めを持ち帰るという家が多いんだとか。という訳で、自分の家に持ち帰る分の折り詰めがまず一つ。そして、後から知って家に拝みに来た人へ渡す会葬品がダンボール三つ分、送られてきた供花を花束にしたものが計三十個、そして戒名が書かれた板と骨壷と遺影。これら全部をN−Boxに積まなきゃなりませんでした。




 ここからはこの日、最大の試練だったんじゃないかと思える帰りの道中とその後の話です。何が凄かったって、寒波が到来していたから猛吹雪だったんですよ。ホワイトアウトで視界が絶望的でした。下手したら葬式会場に死んだ状態で逆戻りするんじゃないかと思うほどに大変でした。いや、本当によく無事に帰れたなと思います。たぶん、家に祭壇の飾り付けに来たスタッフさんも同じ思いだったと思います。四日間ぶりに帰宅した我が家は寒かったです。文明機器って素晴らしい。

 祭壇の飾り付けが済んだ後は、そのままこの後の説明を受けました。忌明けの日や祭壇の返却日、拝みに来た方への記帳の徹底、葬儀の費用の内訳、その他諸々……。これら全部を終えてやっと一息つけたんです。いやぁ、人が死ぬって大変ですね。この日、私は自分の布団で寝れるありがたみを感じました。





 以上が、父が死んでから過ごした私の四日間でした。この後も名義変更やら解約やら手続きが山積みですがなんとかやっていきます。

 最近、改題した連載の「ヴァンプスレイヤー・ダンピール」は更新を休ませてもらい、せっかくなのでちょっとずつ改稿したり書き溜めを作っていこう思っております。改題したばかりなのに申し訳ないです。

 さて、それでは最後に、そんな事言ったってしょうがないだろ、と言われるのは分かっているけど言わずにはいられない一言でこのエッセイを締めたいと思います。


 さよならくらい言えよクソ親父。


 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。龍崎操真でした。

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初めて葬式をやる側になった 龍崎操真 @rookie1yearslater

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