07.冬
「ちょっと冬!?」
「いやその…訳がありまして」
泰が帰った後、質問攻めをうけていた。
「冬先輩ずるいですっ!!居たのに隠してたんですね!!」
「隠してた訳じゃ…」
いや、隠してたけどさ。そりゃかわいいかわいい弟だしね。性格神だしイケメンだし。
「そりゃ冬が隠す理由もわかるよ〜?イケメンだし性格やばかったし」
「まぁ…」
バストロを持った結衣がフォローを入れてきた。
「いやーそれにしてもイケメンだった!男の人っていうのを人生で初めてレベルに鑑賞したけどあんな神なんだね!」
「違うわよ」
バスクラの先輩が話しているとユーフォの先輩が割り込んできた。
「私は家柄上男とも社交的な場で会うんだけどね、ブスばっかでその上態度は傲慢な人が多いわ。冬ちゃんの弟の泰くんはそんなことなかったけど。冬ちゃん、家でもあんな感じなの?」
「いや…もっと甘えてきてくれたり…えへへ」
「先輩方これ処すべきじゃないですか」
「「「「そうね」」」」
「ちょっと待ってくださいよ!」
キーンコーンカーンコーン
お昼のチャイムが鳴った。
「とりあえず!話はご飯食べながら聞くから!」
「えぇ…まあいいですけど」
私たちは音楽室へと移動した。
音楽室へ行くと、何やら大騒ぎだった。騒ぎの中心にいるのはクラリネットのパートリーダーである絢音先輩。
詰められている感じもありながら何か嬉しげに話している。
一応話だけそこら辺の先輩に聞いておこう。
「これどうしたんですか?」
「あ、冬ちゃん。なんかね〜、絢音が男性と喋ったって言ってるの」
元々のメンバーは凍った。
「へ、へぇ〜。そうなんんですね」
「ん一個多くない?」
「とりあえずご飯食べてきます」
「りょ〜」
うーん、どうするべきなんだろうか。
「ちょっとまって、これやばくない?」
結衣がそう喋った。
「結構やばいね」
「てかこれトランペットの人にバレたらどうするの?この学校の3分の1は敵に回すよ???」
「そうですねぇ…」
トランペットは代々女尊男卑の人が集まるパートで、女尊男卑の思想を持っている人はこの学校の約3分の1である。今は結構改善されてきてはいるが、やっぱり男を下に見ている人は多い。
「てかそれ誰が作ったの?」
「わ、私ですか?」
「うん」
「泰ですけど…」
また静まり返った。
いや、私は悪くないよね?泰がやるって言ったんだからさ。しゃーなくない?私は押し付けたりしてないし。
「なに?泰くんを奴隷みたいに扱ってんの?」
「そんなことないって」
「確かに。奴隷として扱ってなかったらあんな性格いい男性なんてできないでしょ」
「全てに合点がいきますね」
「だから!そんなことないですって!」
誤解を解くのは長く苦しい戦いになりそうだ。
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こんにちは、作者です。
カクヨム様が少しスマホが扱いづらいのと、普通にリアルが忙しいのとで更新が低速になります。本当に申し訳ないです。
ブックマークを押して気長に待っていただけると幸いです。
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