06.

と言うかおかしくないか。バスクラとファゴット、バリトンがいるのはわかる。ただなんでバストロとユーフォがあるんだ?




「え?どうしたの泰」




「いやっ!なんにもないよ!」




「えー!冬ちゃん弟いたの!?」




バストロの天使が口を開いた。それに続くように他の人も口を開き始めた。




「言ってよ!」「先輩!!紹介してください!!!」「冬!!」




「ちょ、ちょっと待ってください!泰は誰にも渡しませんから!」




それ普通俺が言うやつじゃ無いの。と言うか誰のものでも無いし。あーでも誰かの所有物になって管理されたいかも。




「泰くんでしたっけ?今何歳なんですか?」




「今年で15です、」




「え!来年入ってくるんだ!」




「も〜!咲!いいからどっか行ってよー」




「ケチ!MAIN交換くらいさせて!」




「MAINくらいなら…」




「それなら私も!」「私も!」「ワタシも〜」「私もー!!!」




この部屋にいる人全員が駆け寄ってきた。8人くらい。




「泰くんはどの高校いくの〜?」




「まだ決まって無いです…」




「じゃあここきなよ〜!」  






〜〜〜




そんなたわいもない話で10分ほど拘束されてしまった。そして帰ってる途中だ。これからこの通学路を歩いて行くとなると結構しんどい感じある。


そんな感じで周りを見ていると、俺と同じくらいの少女が人気のない公園でブランコに座っていた。1人で。




「どうしたの?」




なぜか話しかけてしまった。




「え?誰?」




「俺なんて誰でもいいんだ。なんかしんどそうな顔してるけど」




「いや、そんな…」




イケメン装ってもダメか。そりゃそうか。




「可哀想な少女を見て見ぬふりできないからさ」




「でもあなたも同じくらいの女じゃん。若干声低いけど」




あ、フード被ってるから顔見えてないのか。




「まーいいから。相談したら楽になるかもよ」




「うーん…じゃあ…」




と言って少女は話し始めた。


友人関係がうまく行ってない事、私立に行きたいけど学費が足りない事、そのことで親と喧嘩して出てきた事。


俺には荷が重すぎる問題だった。前の世界では公立に行ったし、友人関係もそんな悪くはなかった。今回の世界でも母親は社長でお金も問題なかった。




「うーん…僕はそう言う事になった事ないんだけど、一回友達と親、腹を割って話てみたら?それと学費は…奨学金とか」




「なんかやっぱ…恥ずかしくて…あと奨学金?は利息がやばいって聞きますし」




「恥ずかしくても話してみよう。多分あっちも話したがってるよ。あと奨学金は一応無利子のやつもあったはずだから一回調べて見たら?」




「うーん…ちょっとやってみます…」




「ごめんね、聞いたけどそんなちゃんとした回答できなくて…」




「いや…大丈夫。ちょっと楽になったし」




この人は長い付き合いになるなと、そう感じた。MAINも交換してなかったが。

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