おもしろければそれでいい

ただ流れるがままに

ゲイを描いたくだらないドラマも

トランスジェンダーを間違って描いた映画も

そんなものもあったねと

誰の記憶にも残らない


最高の名作すら世に残らないことがある

どうして駄作が語り継がれるだろう


だから安心して

どうせ来年にはどうでもよくなってる


なんだかつまらないね

つまらない上につまらない

もっと話がしたいのに

何が駄目でどこをどうすればいいのか


これは“差別とはなんだろう?”と

考えるいい機会なのに

この程度なら問題ない、と、明後日の方向へ


今日もテレビでは誰かが笑いものにされている

それに抗議をしたら“つまらなくなった”

“昔は良かった これじゃあ人を笑わせられない”


でも少なくとも他人を笑いものにすることでしか

人を笑わせることができないのなら

沈黙と静寂に満ちた世界の方がまだマシだ


俺の大切な人を傷つけるのは許さない

貴方だって許さないだろう

貴方に攻撃者に対する寛容さなんてものがあるなら

誰を傷つけられてもほっとくのだろうけれど


自分の属性を笑いのネタに

自虐を好む人ならそれでいいんだろうけど

みんながみんなコミカルに生きたいわけじゃない


ていうかそもそもゲイであることは“面白い”ことではない

太っていることも、禿げていることも、

背が低いことも、高齢の女性が独身であることも、

それらは別に“面白い”ことではない


そのはずなんだ


楽しくなければテレビじゃない

面白ければそれでいい

そうね、それが“楽しい”ことならね

それが“面白い”ことなら確かにそれでいいのだけれど

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