ゆらめきのカウントダウン

夏休みは必ず終わる

金は遣えばなくなる

皿の上の料理を食べたら皿の上は空になる


だけど夏休みも金も料理も完全には終わらない

それは望み次第

その度に終末へのカウントダウンは刻まれる

全ては終末こそが先に在る


人間はいつか死ぬ

人類はやがて滅びるだろう

どっちにしろ地球はいずれ消えてなくなる


ノストラダムス、1999年7の月

でも確かにその日世界は終わったんだぜ

訃報欄に文字がない日などない


常にカウントダウンは刻まれている

始まりと終わりは必ずセットで在る

それこそが絶対の事実だから

でもそれだけじゃない

僕らは始まったからには終わらせたいんだ


どんなものでもいつかは終わる

何にでも終わりがある

いつかは必ず終わりの日がやってくる

でもそうは言っても2+3が5でなくなることはなさそうだ

だからやっぱり終わらないものはあくまでも終わらないのだ


終末とはなんだろう?

それは続けられなくなった世界


仲の良い友達

やり甲斐のある仕事

楽しい毎日

美味しいご飯

面白い本

素敵な音楽

とても幸せ

それが不安で不安で仕方がない

いつか終わることが怖いから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る