第7話

聖は激怒した。

必ずかの邪智暴虐の教師から逃げねばならぬと決意した。

聖には校則は分からぬ。

聖は女子高生である。

早弁をし、スカートを短く切ってきた。

けれども教師には人一倍敏感であった。

そしてなんやかんやあって教師に捕まりそうになると咲たちを生贄にして逃げ回っていた。

というのが昨日までの日常でした。

しかし、あら不思議。

スカートの長さが〜とか以前に髪色が!!

どピンクにど紫、金髪とか霞むレベルなんですけど。

そのあまりの校則違反っぷりに開いた口が塞がらない。

でも今日は校門にいた生活指導も素通りだったなぁ。

とうとう私の諦めの悪さに『呆れてモノも言えん』のフェーズに移行したのかと思ってたんだけどどうやら違うっぽいなこれ。

よくよく考えてみれば生活指導の教師たちも鎖帷子やら鼻ピアスだったような...

あー、まあいいや。

考えるのは私には合わない。

おーわり。

えっと今日の一限は〜....

『射撃』

あたまが宇宙猫になりそう。


〜グラウンド〜

「聖」

「ん?花から話しかけてくるなんて珍しいじゃん」

「いや、だってほら」

いっつも冷めててなんでも見透かしてるような態度の花が『どういうこと...?』って顔で前で話している教師を指さした。

花が指を差した先ではオモチャの銃の各パーツについて真剣な顔で説明する教師がいた。

どうみても100円ショップで売ってるオモチャだ。

「ウケ狙いじゃね?」

「意味わかんないんだけど」

「花がわからんなら私にもわからん」

そう話していると、前で話していた教師が「そこうるさいぞー」といって発砲してきた。

いや、比喩とかじゃなくてガチの発砲だ。

「は?」

「嘘...」

銃弾は私の頬を掠めて後ろのコンクリートにめり込んだ。

教師のオモチャの銃口からは煙がでている。

「もー!先生危ないじゃーん」

説明を聞いていた生徒たちが教師にぶーぶー文句を言っている。

「いやー、すまんすまん。

つい撃っちまったよ、お前らがちゃんと聞かないからだぞ

そして、ここの安全装置がだな...」

嘘だろ...なんでこいつらこんな平気なんだよ...

当たったらシャレになんねぇよ...

花は真っ青になっている。

「あ、えと、、大丈夫?」

「か、掠っただけだから...」

全然大丈夫じゃない、こえーよ意味わかんねーよ...


学校に来てまだ1時間も経っていないが私は既に帰りたい。

たぶん花も。

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