第42話 妖精の朝 ※ほんのり下ネタあり
妖精の朝は早い。
とは言っても、妖精自身の目覚めが早いわけでは無い。
「ふあぁ…よく寝た…」
ある寝室で、一人の一際大きな胸の女性は腕を伸ばす。
「むぎゅっ!」
その胸の谷間で女性とは違う声がした。
「あぁっ!ごめんなさい、リョクさん」
そう、妖精は毎日のようにキャリー・キラーラビットの胸の中で眠っているので、キャリーの起床と共に起きるだけなのだ。
キャリーの着替え中も、妖精リョクは胸の谷間にお風呂に浸かるように両手を広げてくつろぐ。
「あ、キャリーさん。おはようございます」
キャリーにそう声をかけたのは、朝食の準備を始めていた
「おはようございます、麟さん」
「今日は瑛三郎さんは居られないんですね」
「きっと、ニーニャ様の寝込みを襲っているんですよ。にししし」
毎日のようにキャリーの寝込みを襲い、胸の中で寝ているリョクが答える。
そんなリョクに二人は『貴方が言うんですか?』みたいな表情を浮かべた。
「あ、キャリーさん。もう起きられたんですか?」
そう言って現れたのは、つい先ほどまでの話題の当事者であった
「ええ、居候の身ですし、遅くまで寝ているわけにはいきませんので」
キャリーは、袖をまくりながら言う。
「いや…十分すぎるほどして頂いてますよ」
「そこの
瑛三郎は、キャリーの胸の谷間でゆったりしているリョクを指差しながら言う。
「んもう、相変わらず瑛三郎さんは失礼ですね。ぷんぷん」
リョクはそう言うが、実のところ全く怒ってなどいなかった。
そして、胸の谷間を楽しんでいるリョクを羨ましそうに見つめる麟の姿があった。
「羨ましそうに見つめていませんよ?ニーニア様」
『こら、麟。この段階ではわしはまだ寝ておるのだから話しかけるでない』
ともかく、話は続く。
こうして、三人で朝食を作り始めた。
「瑛三郎さんは、さっきまでどこに行ってたんですかぁ?」
手伝いもせずに谷間を楽しむリョクは言う。
「ん?ニーニャの部屋に行っていた」
瑛三郎の答えに、麟とキャリーは思わず手を止めた。
「ほらぁ、ねっ?ねっ?私の言ったとおりニーニャ様の寝込みを襲っていたでしょお?」
リョクはドヤ顔で二人に言う。
そして、あたふたし始める麟とキャリーに瑛三郎は言う。
「ニーニャは寝相が悪いので、布団を掛けに行っていただけですよ」
その言葉に、麟とキャリーは『ですよねー』と心の中で思うと共に、エロい妄想をした自分を恥じていた。
「そんな妄想してませんよ、ニーニャ様」
「そ、そうですっ!」
『こりゃっ!二人ともわしに話しかけるでない』
『というか、キャリー殿は絶対に妄想したじゃろ』
そんなわけで、瑛三郎の寝込み疑いも晴れたところで三人はテキパキと朝食を作ったのであった。
「じゃあ、俺はニーニャを起こしてくる」
そう言って瑛三郎が
「にししし。下の如意棒は起こさないようにして下さいよぉ」
「するか!」
こうして、瑛三郎に起こされたわしの一日も始まったのであった。
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