第40話 後ろにいた ※下ネタあり

それは、わしが新たに作成したパーティで全滅した2つのパーティを救い出してから少しした後の事じゃ。


「あん!んんっ!・・・もう・・・私・・・」


「俺も・・・もう・・・くっ!!!」


「あああああぁぁぁ・・・・・・」


ちなみに、これはエロゲのエロシーンじゃぞ?

いつもはこういうシーンは飛ばすのじゃが、攻略サイトによると最後らしいので見てみることにしたのじゃ。

あとは一本道らしいしの。

ちなみに、わし以外に麟とキャリーの二人も見ていたりする。

二人とも顔を赤らめて、なんともウブじゃのぅ。


「安心せい。これで終わりじゃ。たぶん」


二人がほっと胸をなで下ろす。

何故、三人でエロゲをしておるのかじゃと?

元々一人でしておったのだが、ドアのノックが聞こえなくての。

気が付いたら、わしの後ろで二人が固まっておった。

ちなみに、エロシーンに入って丁度スケベCGが画面に映った時に出くわしたのじゃ。


「それにしてもこの後の展開が気になりますね」


「私も気になります」


このゲーム、エロゲではあるがシナリオに定評のある会社のもので、数多くアニメ化もされているくらいじゃからハマるのも無理はない。

そうこうしているうちに、ゲーム内では話が続いて主人公が光の粒となって消滅してしまった。


「えーっ!?主人公死んじゃいましたよ、ニーニア様」


「そのようじゃの。やっぱり主人公はあの時の猫だったようじゃ」

「それより、このゲーム主人公目線だったのにどうなるんじゃろう」


「実は何かに転生して、視点が変わるとかでしょうか」


わし等は話の続きが気になり、ディスプレイにかぶりつくように進めた。

それ以降は、ヒロイン目線になったのじゃが、結局ヒロインも残りの数日間主人公の事を想いながら息を引き取った。

最後はまた一人になったとはいえ、少しの間だけでも主人公と一緒に居られて救いになったようじゃ。


「うぅ・・・こんなのあんまりです。せっかく再会出来た二人だったのに」


麟は目をうるうるとさせながら言う。


「本当です。せめて来世では一緒になれたらいいのに・・・」


キャリーも目をうるうるさせながら言った。

そして、展開はキャリーの言うとおりになった。


「・・・ごめんなさい」


「いやいや、キャリー殿のせいではないわい」

「それに、ありきたりな展開じゃがこれはこれで良かったわい」


「ですねぇ」


わし等が、エンディングを見ながら余韻に浸っていると背後から声がした。


「そろそろ良いか?」


その言葉にわし等三人は驚いて振り向いた。

まぁ、当然ながらそこにおったのは瑛三郎であった。


「なんじゃ、おるならおるって言わんかい」


「ちゃんとドアのノックはしたぞ、三回も」

「部屋の中から声がするのに反応がなかったから開けたが、ちゃんと開けるぞーって言って入ったぞ」


全然気付かんかった。

こやつ、何気にいつも気配を消しておるからのぅ。


「で、いつからおった?」


「ん?確かゲームのヒロイン?が『貴方が欲しいの』とか言ったあたりだな」


エロシーンに入る直前ではないか。


「で、起ったのかや?」


瑛三郎の下半身を眺めながら言う。


「ん?そりゃ椅子なかったから、ずっと起ってたぞ」


「いや、そういうことじゃなく・・・まぁ、ええわい」


ちなみに麟もわしの言う意味を理解しておらんかったが、キャリーの方を見ると顔を両手で隠しておった。


「で、何しに来たんじゃ?」


「三時になったから、ティータイムになったと呼びに来たんだが」


「それをさっさと言わんかい!」


と言うわけで、わし等は一時間遅いティータイムを楽しんだのじゃ。

ちなみに、その夜、瑛三郎がナニかをするかも知れないとひっそりと部屋に侵入を試みた。

しかし、あっさりと気付かれて朝まで廊下で正座させられたのじゃが、その時の話はするかも知れないししないかも知れん。

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