第26話 パソコンを設置した ※ほんのり下ネタあり
パソコンを城に持ち帰って、現在は各々が箱から取り出して設置中である。
とは言え、わしら全員購入したのはノートパソコンであるので、設置するのにそれほど困ることはない。
なお、キャリーのパソコンがでか物であるため、事前にパソコン置き場として専用スペースを作っている。
「ふぅ、まぁ、こんなもんじゃの」
わしは設置した新しいノートパソコンをまじまじと見ながら、早く起動したい気分でいっぱいであった。
わしは、二人が設置し終わるのを待った後、勢いよく口を開いた。
「よし、同時に電源ボタンを押すぞ」
「別に同時でなくてもいいだろ」「はい、ニーニア様」「分かりました」
と、わしの発言に対し、一人を除いて了承してくれた。
その一人は誰と言わずともわかるであろう。
ともかく、電源ボタンをポチっと押した。
「うぉー、凄く速いぞ。もう起動が完了したぞ」
「そうですね。僕達が冒険に出ている間に、ものすごく進化していたんですね」という麟。
「そのようだ。てっきりキャリーさんのパソコンの性能が高いからだと思っていた」と瑛三郎。
わしらが起動の速さに感動しているところで、リョク姉が口を開く。
「ねぇねぇ、ニーニャ様」
「早速、ゲックスビデオを見に行きませんかぁ」
リョク姉は、右手を口に当て、それはもう若気た顔をして言ってきた。
瑛三郎は、やれやれと言わんばかりの表情をしており、麟は手をわきわきさせながら赤面、キャリーは露骨に視線をそらしていた。
おい、お前ら全員、このサイトが何なのか知っておるな。このムッツリ共め。
「よし、見に行こう」
「見るのかよ」
瑛三郎は、0.1秒の早業ともいうべきツッコミを見せた。
「なに、ちょっと見るだけじゃ」
「パソコンがどこまで快適になったのか、をのぅ」
もう俺はツッコまんぞ、という表情をしている瑛三郎をよそに、わしはゲックスビデオのウェブページへと進んでいった。
「まぁ、適当なのでええかの」
そして、それを開いた途端に、エーの付くビデオに登場する女優の喘ぎ声が、部屋中に響き渡ったのだった。
音量、そのままにしていた…。
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それはともかく、今はネットゲームの中で父様と母様を待っている最中である。
「それにしても、めっちゃ快適に動くのぅ」
「そうですね。20万程度のパソコンでも、ここまで動くようになるなんて感動です」
「そうだな。通信も普通に速くなったしな」
そう、今まで使っていたパソコンでは、通信速度を活かしきれていなかったのだ。
まぁ、規格が古かったのだから、仕方ないのであるが。
更に、今までのノートパソコンは画像処理が貧弱であったが、新しいノートパソコンはその克服もしており、当然キャリーのようにとはとても行かないが、十分すぎるほど画像処理が早くなっていた。
そんなこんなで、新しいノートパソコンの具合を話し合っていたところで、父様と母様が現れた。
「いよぅ、我が愛しの娘よ。待ったかい?」
「いえ、皆と話をしておりましたので大丈夫です。父様」
「全く、貴方と来たらニーニャニーニャって。麟さん、瑛三郎さん、キャリーさんにも挨拶して下さいな」
「あ、お三方、ごきげんよう」
母様の言葉に対し、三人は
「いい加減、慣れたらどうじゃ?」
「いや、お前もいつも通り普通にしゃべってないだろ」
「あ…」
「気にせんでええ。お主の話し方は、もう父様と母様も知っておる」
「ええ、構いませんよ。と、言いますか、むしろ、もっと辛辣にしてもらっても結構ですよ、瑛三郎さん」
「この、どうしようもない引きこもりの娘を、宜しくお願いします」
母様酷い。
「そうだとも、瑛三郎君。引きこもりのどうしようもない駄目な我が子だけど、宜しく頼むよ。ううぅ…」
父様は父様で酷い言いようだった。
愛する我が子じゃないのかや?
そんなやり取りに、麟とキャリーは苦笑しており、リョク姉は瑛三郎の頬をツンツンと指差しながら若気た顔をしていた。
そして、わしらは二時間程ゲームを楽しんだのだった。
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