第7話 RebootをReboot
「…なんという事じゃ」
起動したゲームの画面には【サービス終了】の文字が、ばーんと書かれておった。
「あぁ、あるあるですね」と麟。
「そうだな、3年も経てば色々変わるからな」
「まぁ、気を落とすな」と、今回ばかりは瑛三郎も同情してくれた。
「どうします?ニーニャ様」
どうもこうも、サービスが終了してしまった以上、どうしようもない。
そう思っていた時に、メールが届いたという画面が表示された。
「ん?なんじゃ。母様ではないか」
「どれどれ」
内容を確認するべくメールを開けた。
『ねぇねぇ、今どんな気持ち?』
という短文と共に、未だにネットではよく使われる煽りアスキーアートの画像が添えられていた。
「ニーニャ様のお母さんって、ネットでは結構過激なんですね」と麟。
「そうだな。あの清楚で可憐な方からは想像出来ないな」と瑛三郎。
「まぁ、これには訳があっての」
「実は、このMMORPGなんじゃが、父様が好きなMMORPGメガカオスオンラインRebootの続編での」
「2Dドットから3Dに進化してグラフィックが向上したんじゃ」
「わしは【やっぱりこれからは3Dの時代じゃの、2Dドットなんて過去の遺物じゃ】って言ったんじゃ」
「父様は2Dには2Dの良さがあるんだよって笑って許してくれたが、母様は未だに根に持っておったようじゃ」
「母様の父様ラブの重さは、それはもうブラックホールの如く重いからの」
「詳しくはCrimson World Marsを参照してくれぃ」
「同情して損した。俺の同情を返せ」と瑛三郎は先の言葉を訂正するように言った。
「しかし、お前が並大抵のことでは怒らない理由が分かった」と褒めてるのか褒めてないのか良くわからない感想を続けて言った。
「ともかく、新しいMMORPGを探さんとのぅ」
ちなみに、母には【(・皿・#)グギギギギ】という返信を送った。
「うーん、良いのが見つからんのぅ」
「ここはひとつ、マスターのゲームに戻ったらどうですかぁ」とリョクは言う。
「確かに、知っている人がおった方がやりやすいしのぅ」
「それじゃあ、そうするか」
そう言うわけで、父がプレイしているMMORPGメガカオスオンラインRebootをDLしてインストール。
「えっと、IDとパスワードはっと…」
そう言いながら、ノートをペラペラとめくり、それを入力。
「よし、起動できた」
「とりあえず、最初からキャラクターを作り直そうかの」
「っと、おお、そうじゃ」
「麟と瑛三郎も、これをインストールしてパーティを組もうぞ」
「そうですね。最初からやり直されるんでしたら、僕もしてみようかな」と麟。
「麟もするんなら、俺もするか」と瑛三郎。
こうして3人でゲームをすることになったのだった。
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