第6話 送料詐欺
「ええっと、送料100万エル…ですねぇ…」
一体、これはどういうことじゃ!
「ニーニャ様ぁ、毎回このくだりやるんですか?」
「まぁ、今回で最後じゃの」
「ただでさえ少ない読者が、更に減ってしまうじゃろうし」
「というわけで、本題じゃ」
「いつもこれだけ買えば、送料無料になるはずなのじゃがなぁ」
最も、そもそも送料の金額がおかしいが。
「そうですねぇ。ボッタクルゾン公式本舗からの購入ですしねぇ」
とりあえず、カスタマーセンターに電話することにした。
ぷるるるる、ぷっ。
「はいはーい。こちらボッタクルゾンカスタマーセンターでーす」
軽快な言葉と共に相手が出た。
「おぅ、ゆん
「あ、その声はニーニャさんですか?お久しぶりですー」
「元気にしてましたー?旅に出たって聞いてましたけど」
「あー、その話はまた今度な」
「ところで、お主のところで物を買おうとしたら送料が100万と出たのじゃが」
「えっ?そんなことは無いと思いますが」
「いや、実際に出とるんじゃ」
「ちょっと待って下さいねー」
「ニーニャさんのデータを確認しますので」
「えっと…あっちゃあ…ニーニャさんの住所、魔王城になってますけどそれで合ってるんですか?」
「そうじゃが、それがどうかしたんかの」
「問題ありですよー」
「魔王城も含めて周辺10kmは基本的に配達不可区域ですからねー」
「ただ、地獄の沙汰も金次第ってことで、100万エルで配達も受けてるんですよ」
「いや、魔王城というても、もう魔王も含めて魔物は駆逐したぞ?(わしは何もしとらんが)」
「え?そうなんですか?」
「一応、ジェンヌ騎士団に問い合わせてみますね」
「えっと…ふむふむふむ…そうですね。確かに周辺一帯も含めて魔王配下の魔物は居ないようですね」
「それじゃあ…規制解除…っと」
「はい、これで大丈夫だと思いますよ」
「もう一度、カート画面から清算してみて下さい」
「分かった」
わしはそう言うと、カート画面に戻り、再び清算ボタンを押した。
「おおっ!送料0エルになったぞ」
「それは良かったです」
「あ、あと住所ですが」
「ジェンヌ東旧魔王城1-1にして下さいねー」
「旧を入れないと、配達員の方が逃げちゃうかもしれませんので」
「おぅ、分かった。ありがとうなのじゃ」
「どういたしましてー、ではではー」
「ふぅ、やれやれなのじゃ」
「ニーニャ様お疲れ様です」
「うむ。あとは配達時期じゃの…えっと3日後か」
「思ったより早ぅ着きそうじゃ」
「というわけで、麟よろしゅうな」
「はい、ニーニア様」と麟は笑みを浮かべながらそう答えた。
「お前が受け取るんじゃないのかよ」という瑛三郎の言葉は知らんぷりした。
「それじゃあ、張り切ってゲームでもするかの」
「3年も経っておるから、アップデートが凄い事になってそうじゃ」
そう言いながら、ゲームを起動させた。
「な、なんじゃとおぉぉっ!」
------ リョク「続く」 ------
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