ep.12 出会いはココ

(拓磨)

バス停で待っていると、携帯のメールで優花から『10分ほど遅れる』と言われた。

『待ってるね』と返信した。

バスが来たから乗る。


(久家)

赤ペンを買う為に文房具屋に来ていた。

「消えるボールペンか〜、普通ので良いや」と言ってレジに向かった。

久家はレジ近くの張り紙に目がいった。

『赤字処分ボールペンが2本で180円…』と書かれていた。

(内心)「私の持ってるボールペンは150円、2本で180円…くっ、負けた。」

そう思っていると久家がレジの番だった。

店員「次の方どうぞ」

そのまま流れで持っているボールペンを購入した。

店員「ありがとうございました、次の方〜」

(内心)「ちゃんとお店の中を回っておけばよかった…いつものボールペンで馴染んでたから安くて2本も手に入ると思わなかった(泣)」と言って帰宅した。


(美代子)

美代子は友人とお昼にファミレスに行っていた。

誘ったのは美代子の友人の幸子。

幸子「うちの旦那がまた洗い物を手伝わなくって」

美代子「まぁ、私の旦那なんてタバコを辞めてくださいねって頼んでも全然辞めなくて〜」

幸子「ほんと、言っても聞いてはくれるんだけど、全然行動に移してくれなくて…」

美代子「私の旦那なんてね、タバコを1本減らしたんだから良いだろ』とか開き直られたは…全く呆れた」

幸子「本当、男ったらそういう所はしっかりやってよね」

美代子「ほんと、そう思うわ」

美代子・幸子、同時に「ねぇ〜」


一方、松井はクシャミをしながら窓を見て「誰か俺の噂でもしてるのかな?」と言った。

幸子「それより、この間は大丈夫?」

美代子「この間?」

幸子「この間の事件よ。」

美代子「あぁ〜あの事件は無事に解決したは」

幸子「大事に至らなくて何よりだったは、それでなんだけどこの防犯グッズを美代子に持ってきたの。」

美代子「良いのに〜」

幸子「遠慮しないで、さっほら貰って。」

美代子が中身を見ながら「じゃあ、遠慮なく貰うわ、ありがとう」と言ってカバンを椅子に置いた。


(拓磨)

バスから降りて公園まで歩いた。

公園のブランコに座っていると、数分後に優花がやって来た。

優花「お待たせ〜」

拓磨「意外と早かったな、本当にここで良いのか?」

優花「何が?」

拓磨「デートだよ、デート」

優花「ここが良いのよ。嫌なら、もう帰ります?」

拓磨「帰る奴がおるか」

優花「じゃあ少し散歩でもしよっか」

拓磨「あぁ、」

優花「よく覚えててくれたね。」

拓磨「まぁ、一応な。それよりさ、なんで10分遅れるって思ったんだ?」

優花「それはね、さっき柔道の服をクリーニングに出てたんだ。」

拓磨「そっか、それで遅れると思ったんだな。」

優花「それより、最近の松井先生がニヤニヤしてるタイミングが多くて…逆に怖いのよ…」

拓磨「あの先生の顔は元から怖いだろ…」

優花「失礼な、」

拓磨「そっちだって失礼だろ」

優花「なんかこの話はおしまい」

拓磨「おっ、そうだな」

優花「松井先生の話で折角のデートを台無しにしたくないしね」

拓磨「それは言えてる」


一方、松井はまたまたクシャミをした。「今日はよくクシャミが出るな、花粉症か?」


拓磨「でもこの公園は最初、出来始めだったから時間が経ってる感じは否めないな」

優花「それは仕方ないよ、私も時間が経ったらシワシワのおばあちゃんになっちゃうかも」

拓磨「後の話だろ」


一方、美代子は家に帰宅していた。

手洗いうがいをして、鏡を見た。

「はぁ〜シワが増えたわ、ほんと嫌になっちゃう…。」


2人は歩いていると、

優花「ココだよね、初めて会ったのは」

拓磨「なんか懐かしいような新鮮なような」

優花「出会った時はまさか付き合うとは思わないよね〜」

拓磨「それはそうだな、ノストラダムスでも無ければ未来から来たド○え○んでも無いし…」

優花「そうだよね、それにこの公園でよく遊んだよね」

拓磨「遊んだな」

優花「ただの公園なのに思い出が残るのは不思議〜」

拓磨「たかが公園でも思い出になるでしょ」

優花「なんかたくっちの発言が正論すぎてつまんないよ…」

拓磨「ごめんごめん、思い出に鈍感なもんでね…」

優花「全く、鈍いんだから。」

と数分間歩いてベンチに座った。

拓磨「歩いてたら体が温かくなったな。」

優花「そうだね、なんか今日はこれで帰ろうかな〜」

拓磨「あぁ、じゃあ家まで送ろうか?」

優花「平気よ、じゃあね〜」

拓磨「じゃあ」


(翌日の学校)

先生に悩みを相談しに来た拓磨

拓磨「先生、彼女出来ました」

久家「そうなんだ〜良かったね」

拓磨「唐突に報告しちゃってすいません」

久家「良いのいいの、それで?なんの相談?」

拓磨「恋ってなんなのか分からなくて聞きに来たのに、今度は悩みが出来て恋の意味がわからなくて…」

久家「悩みなんて生きてたら生まれるものよ」

拓磨「えっ?」

久家「良い悩みも悪い悩みもあるから生きてる証なんじゃない、悩まない人なんて御年寄か赤ちゃんぐらいよ〜」

拓磨「それは、そうですけど」

久家「例えばね、新婚生活で私の部屋に何を置こうか迷ったり、どこに旅行するか良い悩みもあるし、逆に言えば『家賃払わないと〜』『あっ、この原稿は明後日までだ』って嫌な悩みもある。」

拓磨「そんなもんなんですね」

久家「うん、そんなものだね」

拓磨「俺の悩みは来年は受験でこれから恋をして良いのか不安で」

久家「そっか〜来年は受験だもんね、彼女さんは進路は決まってるの?」

拓磨「彼女はもう決まってるそうなんですが、俺は人生で恋を無理にする必要があったのか分からなくなちゃって、」

久家「そっかぁ〜私も何年も教師して来たけど、君みたいな子は結構いたよ」

拓磨「そうなんですか?」

久家「うん、むしろそれが理由で別れた子もいたけど、別れずに受験に受かった子もいる。」

拓磨「じゃあ別れない方がいいですか?」

久家「それは私は教師なので、恋愛コンサルタントでは無いので、勉強の事なら深堀しますが悩みを聞く程度ならできます!」

拓磨「そうですよねぇ〜、ありがとうございました。失礼します。」

拓磨はそのまま帰った。

三上「最近さ俺に彼女が出来たは」

拓磨「そりゃ良かったな」

三上「俺の彼女は1年の子だ」

拓磨「年下かよ」

三上「告白されたからな〜」

拓磨「うわ〜イケメンはズルいですね、本当に」

三上「じゃあな〜」

拓磨「おう〜」

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